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ローム、SiC−SBDとSiC−MOSFETを1チップ化した「SCH2080KE」を開発

2012-06-19

※世界で初めてSiC−SBDとSiC−MOSFETを1パッケージ化し、量産開始
インバータにおける電力損失を大幅に低減し、部品点数削減にも大きく貢献


<要旨>
 半導体メーカーのローム株式会社(本社:京都市)は、産業機器や太陽光発電のパワーコンディショナー等のインバータコンバータ向けに、耐圧1200Vの第2世代SiC(シリコンカーバイド:炭化ケイ素)MOSFET「SCH2080KE」を開発しました。低損失かつ高信頼性を実現したことにより、さまざまな応用で機器の低消費電力化・小型化に大きく貢献します。

 同製品は、※世界で初めてSiC−SBDとSiC−MOSFETの1パッケージ化に成功しました。内部ダイオードの順方向電圧(VF)を70%以上低減し、低損失化を実現するとともに部品点数削減も可能になります。

 生産拠点は、ローム・アポロ株式会社(福岡県)で、6月からサンプル出荷を開始し、7月より順次量産を開始します。

 ※6月14日現在 ローム調べ


<背景>
 現在、1200Vクラスのインバータコンバータでは、Si−IGBTが一般的に使用されていますがテイル電流や外付けFRDのリカバリによる電力変換損失が大きいため、より低損失で高周波動作が可能なSiC−MOSFETの開発が期待されています。しかし、従来のSiC−MOSFETは、ボディダイオード通電による特性劣化(オン抵抗や順方向電圧の上昇/耐性劣化)やゲート酸化膜の故障など信頼性面での課題が多く、本格的な導入は進んでいませんでした。

 *製品画像、参考画像は添付の関連資料を参照


<新製品の詳細>
 今回、ロームでは、結晶欠陥に関するプロセスとデバイス構造を改善することにより、ボディダイオードをはじめ信頼性面での課題をすべて克服することに成功しました。さらに従来品に比べ、単位面積あたりのオン抵抗を約30%削減し、チップサイズの小型化を実現しています。
 また、独自の実装技術により、従来外付けする必要があったSiC−SBDの同梱にも成功し、SiC−MOSFETにおけるボディダイオードの課題であった順方向電圧を低減することが可能となりました。
 これらにより、一般的なインバータで使用されているSi−IGBTに比べて、動作時の損失を70%以上削減。低損失化を実現するとともに50kHz以上に高周波化することで、周辺部品の小型化にも貢献します。

 なお、今回はSiC−SBDを同梱しないタイプのSiC−MOSFET「SCT2080KE」も同時に開発しており、回路構成や顧客ニーズに合わせた製品提供を行ってまいります。両製品は、7月11日(水)〜13日(金)に 東京ビッグサイトで開催される「TECHNO−FRONTIER 2012」のロームブースで展示する予定です。ぜひご来場ください。


以 上

 *特長・用語説明は添付の関連資料を参照

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