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JX日鉱日石金属、キャリア付き極薄銅箔を販売開始
キャリア付き極薄銅箔の販売開始について
JX日鉱日石金属株式会社(東京都千代田区大手町二丁目 社長:岡田昌徳 以下「当社」)は、当社日立事業所(茨城県日立市白銀町一丁目1−2)において、このたび2種類の粗化(※2)処理済みキャリア(※1)付き極薄銅箔(商品名:JXUTシリーズ)を開発し、サンプル出荷を開始しました。
JXUTシリーズは、半導体パッケージ用途を初めとする、より微細な回路形成を必要とするニーズに応えた新製品です。厚みのラインナップとして2〜5μmを揃え、キャリアとして18μm若しくは35μmの電解銅箔を使用しています。キャリア銅箔の表面に剥離層(※3)としての特殊な処理を施し、この上に極薄銅層を形成しています。
また、JXUTシリーズでは、フレキシブルプリント配線基板用圧延箔およびロープロファイル(※4)電解銅箔(JTCLP箔)等の製品の製造で培った、微細回路の形成に適した表面処理技術を活かし、多様なニーズにお応えできるように2種類の粗化処理を取り揃えました。
より微細な回路を形成する用途には、より粗化処理の表面粗さを低く抑えたJXUT−Iが、剥離層とキャリア付き銅箔の剥離強度(※5)や耐薬品性を重視する用途にはJXUT−IIが適しています。
以 上
※1)キャリア:極薄銅箔の保護材です。2〜5μmの極薄銅箔はハンドリングが難しいため、キャリアと呼ばれる保護材をつけ出荷されます。お客様での加工の際に、キャリアと極薄銅箔を引き剥がし、極薄銅箔を加工します。
※2)粗化:樹脂との密着強度を向上させるためにコブ状の突起を形成させる処理です。当社の粗化処理は微細・均一の突起を形成させることができ、微細な回路形成を可能にします。
※3)剥離層:キャリアと極薄銅箔の間に介在する化学成分層です。キャリアの極薄銅層からの剥離を容易する機能を有しています。
※4)ロープロファイル:表面の粗さを低くすることです。微細回路形成に有効な手法の1つです。
※5)剥離強度:キャリアを極薄銅箔から引き剥がすために必要な、引っ張り強度のことです。