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ライフテクノロジーズジャパン、米CDI社とヒトiPS細胞関連製品の製造・販売で提携

2012-06-18

ライフテクノロジーズとCellular Dynamics International、
新しい幹細胞技術のグローバルな商業化に向けた提携を締結
6月15日(金) パシフィコ横浜の国際幹細胞学会(ISSCR)にて講演



 Life Technologies Corporation<http://www.lifetechnologies.com/us/en/home.html>(NASDAQ:LIFE<http://www.lifetechnologies.com/us/en/home.html>)(本社:米国カリフォルニア州カールスバッド)と人工多能性幹(iPS)細胞由来のヒト細胞の世界最大の生産会社であるCellular Dynamics International<http://www.cellulardynamics.com/>(CDI)は本日、研究および医薬市場向けヒトiPS細胞の一貫した開発と成育に最適化された3種類の新製品について、製造・販売に関する提携を締結しました。日本での同3種類の発売は、6月15日となります。

 Essential 8(TM) Medium<http://products.invitrogen.com/ivgn/product/A14666SA>(エッセンシャルエイト培地)、Vitronectin(VTN−N)<http://products.invitrogen.com/ivgn/product/A14701SA>/(ビトロネクチン)、およびEpisomal iPSC Reprogramming Vector<http://products.invitrogen.com/ivgn/product/A14703>(エピソーマルiPSCリプログラミングベクター)の3種類の新製品は、いずれもウィスコンシン大学のヒト多能性幹細胞研究のパイオニアであるジェームズ・トムソン博士(Dr. James Thomson)によって開発されました。胚幹細胞研究のパイオニアであるトムソン博士は、幹細胞の培養条件、in vitroでの分化、およびiPS細胞に関する技術の多くを開拓した人物で、CDI社は同博士により2004年に設立されました。

 この提携を通じ、ヒトiPS細胞開発に関するCDI社のリーダーシップと、Life Technologiesが持つ幹細胞研究ツールの製造ノウハウとグローバルな流通ネットワークが一体化され、このような最新の技術を世界中の研究者に提供することができるようになりました。Life TechnologiesによるEssential 8(TM) Medium(エッセンシャルエイト培地)、Vitronectin(VTN−N)/(ビトロネクチン)、およびEpisomal iPSC Reprogramming Vector(エピソーマルiPSCリプログラミングベクター)の商業化は、基礎研究、トランスレーショナル・リサーチからドラッグディスカバリーまでの幅広い分野の研究に必要で適切な細胞の開発に関連する課題に対応します。Nature Methodsと PLoS One<http://www.plosone.org/article/info:doi/10.1371/journal.pone.0027956>に発表された最近のバリデーション研究により、これらの製品の有効性が注目されています。

 Nature Methods:http://www.nature.com/nmeth/journal/v8/n5/full/nmeth.1593.html


 CDI社のボブ・パレー(Bob Palay) CEOは、「これらの新しい幹細胞培養製品の発売により、iPSC技術が持つ能力を世界中の研究者が容易に利用できるようにし、医学分野でのブレークスルーを推進するという、CDI創立者で幹細胞のパイオニアでもあるジェームス・トムソン(James Thomson)のビジョンがさらに一歩前進します」と述べています。

 従来、ヒトiPS細胞の培養にはマウスのフィーダー細胞を用いてきましたが、変動があることからフィーダーフリーの基質を使うようになっています。しかしながら、現在提供されているフィーダーフリー培地には、相互に作用する20種類を超える成分が含まれており、たとえばウシ血清アルブミン(BSA)や脂質などその成分がロットごとに大きく異なります。このためiPS細胞の増殖や分化が一定せず、疾患の研究や臨床への応用の可能性が妨げられています。

 Current Good Manufacturing Practice(CGMP)施設のLife Technologiesの施設で製造されるEssential 8(TM) Mediumは、この培地に関する不安定さという障害を克服しています。BSAおよびその他の望まれない成分が除去され、成分の数を効率的な成長に必要で十分であると特徴付けられた8種類のみに限定することに成功しました。これにより、一貫性の保たれた成分が確立され、ヒトiPS細胞の大規模生産を可能にします。

 Cellular Dynamics International、最高執行責任者(COO)兼バイスプレジデントを務めるエミール・ニュウェイサー(Emile Nuwaysir)氏は、「Essential 8は、培地の不安定さを解消し、大量生産が可能です。1日10億個の心筋細胞を毎日生産することを目指すなら、その細胞をすべて同一のクオリティに保たなければなりません。

 マウス胚の線維芽細胞を使った場合には、これは事実上不可能であり、Essential 8が登場する以前の複雑なフィーダーフリー培地の利用は非常に困難でした」と述べています。

 Vitronectin(VTN−N)は、Essential 8 Mediumとの使用に最適化され、iPS細胞培養における一貫性を担保した組成が明らかなヒトタンパク質をベースとしたものです。細胞の付着と成長にマウス腫瘍細胞由来の組成が不明瞭な基質を必要とする既存の大半のフィーダーフリー培地とは異なります。

 Essential 8(TM) MediumとVitronectin(VTN−N)を組み合わせることにより、強固でコスト効率の高く、また拡張性を備えた、非ヒト成分を含まない組成が明らかな培養システムが得られます。

 Life Technologiesはまた、非ウイルス性、非組み込み型の技術を活用して血球や皮膚細胞などのヒト体細胞からiPS細胞へのリプログラミングを開始させる6種類の遺伝子を導入する、Episomal iPSC Reprogramming Vectorも発売します。この非ウイルス性のアプローチには、この方法で作成したヒト由来のiPS細胞が患者ごとの疾患研究により適しているという大きな利点が存在します。

 レンチウィルスやレトロウィルスなど従来のウイルスベースの手法では複製にホストゲノムへの組み込みが必要とされ、リプログラミングされた細胞のゲノムが破壊される恐れがありました。

 Life Technologies、Primary and Stem Cell Systems担当ジェネラルマネージャーバイスプレジデントを務めるクリス・アームストロング(Chris Armstrong Ph.D)氏は、「組成が明らかな試薬システムを使って再現可能な形でiPS細胞を定着し培養できることは、幹細胞研究、疾患モデリング、およびドラックディスカバリーの進歩にとって鍵となる役割を担っています。今回の新製品商業化はこの目的に沿った、お客様への最も革新的かつ状況に適したワークフロー提供への当社の取り組みを強化するものです」と述べています。



※以下、リリースの詳細は添付の関連資料を参照


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