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日立化成、「そり」を低減できる「次世代半導体パッケージ基板用材料」を開発

2012-06-16

次世代半導体パッケージ基板用材料を開発
−熱膨張係数2.8ppm/℃を実現、さまざまな半導体パッケージ構造において「そり」を低減−



 日立化成工業株式会社(本社:東京、執行役社長:田中 一行 資本金:155億円、以下、日立化成)は、このたび、次世代半導体パッケージ基板用材料として、ハロゲンフリー、高Tg(*1)、低熱膨張のMCL−E−705Gシリーズ、およびMCL−E−800Gシリーズを開発し、銅張積層板のラインアップを拡充するとともに量産を開始しました。

 スマートフォンやタブレットPCに代表される電子機器の小型・薄型化の進展に伴い、半導体パッケージ基板に使用される基板用材料にも薄型化の要求が高まっています。また、半導体パッケージの実装時においては、チップと基板材料の熱膨張の差により生じる「そり」が大きな課題となっています。さらに、電子部品の実装工程においては、環境に配慮し鉛はんだを使わないプロセスが主流となった結果、リフロー温度が高くなり、使用される材料にも高耐熱特性が求められています。

 そこで日立化成は、これまで培ってきた樹脂の設計・配合技術を活かし、従来の高Tg材と比べて熱膨張係数(*2)を約30%〜70%低減し、さまざまな半導体パッケージ構造において「そり」を低減することができる多層材料として、高弾性率のMCL−E−705Gシリーズ、低弾性率のMCL−E−800Gシリーズをラインアップしました。特に、MCL−E−705Gシリーズの705G(LH)、およびMCL−E−800Gシリーズの800G(L)では熱膨張係数2.8ppm/℃を達成し、大幅な「そり」の低減が可能となります。

 両シリーズは、半導体パッケージ基板用材料としての幅広い使用が期待され、FC−BGA、FC−CSPといったインターポーザ基板(*3)やPoP(Package on Package)の材料として最適です。特にMCL−E−705Gシリーズは大型の半導体パッケージやビルドアップを多段に積上げる構造のものに適し、MCL−E−800Gシリーズは半導体チップの熱膨張変化へ追従することでチップのダメージを抑制し、小型で薄い半導体パッケージに適しています。最終製品としては、携帯電話やスマートフォン、情報デジタル機器などに加え、車載用など高温環境で使用される機器にも適しています。今後は、配線板メーカーや半導体メーカーへの製品紹介をさらに進め、2015年度に両シリーズ製品で年間100億円の売上を目指します。

 なお、本製品は、6月13日〜15日まで東京ビッグサイトで開催される、JPCAショー2012の日立化成ブースに出展する予定です。


*1:Tgとは、ガラス転移温度(Glass Transition Temperature)のことで、高Tg材とは、ガラス転移温度の高い銅張積層板のことを指します。一般的には、Tgが高いほど高温での樹脂の性質が安定しているため耐熱性に優れており、Tgは銅張積層板では耐熱性を表す一般指標として使用されています。

*2:熱膨張係数とは、基板に熱を加えた際の1℃あたりの膨張量を示す係数。単位はppm/℃。


*3:インターポーザ基板とは、半導体(IC)チップを直接搭載する基板で、はんだボールなどを介してマザーボードとの接続に用いられます。


以上

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