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東京エレクトロンと田中貴金属、次世代配線技術向けルテニウムプリカーサのリサイクルプロセスを共同開発

2010-11-29

東京エレクトロン田中貴金属工業、
次世代配線技術向けルテニウムプリカーサのリサイクルプロセス共同開発に成功

〜 従来、廃棄されていたルテニウムプリカーサが再利用可能に 〜


 東京エレクトロン株式会社(本社:東京都港区赤坂、代表取締役社長:竹中博司)と田中貴金属工業株式会社(※1)(本社:東京都千代田区丸の内、代表取締役社長:岡本英彌)は、次世代半導体微細化技術に用いられるルテニウムプリカーサ(ルテニウムCVD用材料)のリサイクルプロセスの共同開発に成功したことを発表します。

 これにより、従来、有価物として回収されることなく廃棄されていたルテニウムプリカーサを、ルテニウム金属に戻すことなく捕集・再精製し、再利用することができます。今回の共同開発にあたり、東京エレクトロンは、ルテニウムCVD装置にてウェーハに堆積しなかった装置内の残留物を回収する機構を開発しました。田中貴金属工業は、回収された残留物を再精製し、再利用するプロセスを開発しました。

 半導体業界では微細化についての様々な開発がなされていますが、その課題の一つとして、微細配線への銅めっき埋め込み性の改善が挙げられます。この課題を克服するため、東京エレクトロンは、銅めっき下地に低抵抗で銅との密着性が良いルテニウム薄膜を施すことにより、銅めっきの埋め込み性を改善する提案をしています。

 ルテニウムは、現在、安定的に供給されていますが、更なる低価格での安定供給を目的として、東京エレクトロン田中貴金属工業は、リサイクルプロセスの開発に着手しておりました。本開発により、プリカーサコストが約20%低減可能となり、ルテニウムCVDプロセスに要するCoC(※2)低減が可能となります。コストダウンが必至である半導体業界において、トータルコスト低減につながり、新技術導入の後押しとなることが期待されます。また、本リサイクルプロセスにより、新規プリカーサ精製時の排出CO2等が低減可能となり、CO2排出を約30%低減することが期待できます。


ルテニウムとは
 ルテニウムは白金原石中に10〜20%含まれている貴金属で、主な原産国は南アフリカです。全世界のルテニウムの年間産出量は約30トン弱となっており、埋蔵予測量は約6,000トンと言われています。田中貴金属工業は、PGM(※3)系では世界シェアの4割を占めている鉱山会社「アングロプラチナ社」と長期取引を行っており、ルテニウムを安定的に供給しています。

原子番号 : 44
融点    : 2250℃
比抵抗   : 7.6μΩcm(タンタル:12.5μΩcm)
         −酸化物も導電性
格子定数 : Ru(002) 2.14Å
         −銅に近い(Cu(111) 2.09Å)
化学安定性 :
 −メッキバス中で溶解無し
 −銅中に拡散及び合金無し


<用語解説>
※1 田中貴金属工業株式会社:
 TANAKA ホールディングス株式会社を持株会社とする田中貴金属グループにおいて、製造事業を展開するグループの中核企業

※2 CoC(Cost Of Consumable):
 消耗品コスト

※3 PGM(Platinum Group Metals):
 白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムルテニウムオスミウム


東京エレクトロン株式会社について
本社:東京都港区赤坂5−3−1 赤坂Biz タワー
代表:代表取締役社長 竹中 博司
設立:1963年
資本金:549億6,119万円(2010年4月1日現在)
売上高:4,186億円(2009年度)
従業員数:1,127人(2010年10月1日現在)
事業内容:半導体製造装置、FPD製造装置、太陽電池製造装置、コンピュータネットワーク、電子部品
HPアドレス: http://www.tel.co.jp/

■TANAKAホールディングス株式会社(田中貴金属グループを統括する持株会社)について
本社:東京都千代田区丸の内2−7−3 東京ビルディング22F
代表:代表取締役社長 岡本 英彌
創業:1885年 設立:1918年 資本金:5億円
グループ連結従業員数:3,441名(2009年度)
グループ連結売上高:7,102億円(2009年度)
グループの主な事業内容:貴金属地金(白金、金、銀 ほか)及び各種工業用貴金属製品の製造・販売、輸出入及び貴金属の回収・精製
HPアドレス: http://www.tanaka.co.jp

田中貴金属工業株式会社について
本社:千代田区丸の内2−7−3 東京ビルディング22F
代表:代表取締役社長 岡本 英彌
創業:1885年 設立:1918年 資本金:5億円
業員数:1,599名(2009年度) 売上高:3,888億円(2009年度)
事業内容:貴金属地金(白金、金、銀 ほか)及び各種工業用貴金属製品の
       製造・販売、輸出入及び貴金属の回収・精製
HPアドレス: http://pro.tanaka.co.jp


田中貴金属グループについて>
 田中貴金属グループは1885年(明治18年)の創業以来、貴金属を中心とした事業領域で 幅広い活動を展開してきました。2010年4月1日にTANAKAホールディングス株式会社を持株会社(グループの親会社)とする形でグループ再編が完了しました。ガバナンス体制を強化するとともにスピーディーな経営と機動的な業務執行を効率的に行うことにより、お客様へのより一層のサービス向上を目指します。そして、貴金属に携わる専門家集団として、グループ各社が連携・協力して多様な製品とサービスを提供しております。
 国内ではトップクラスの貴金属取扱量を誇る田中貴金属グループでは、工業用貴金属材料の開発から安定供給、装飾品や貴金属を活用した貯蓄商品の提供を長年に渡り行ってきました。今後も貴金属のプロとしてグループ全体で、ゆとりある豊かな暮らしに貢献し続けます。田中貴金属グループの中核8社は以下の通りです。
●TANAKAホールディングス株式会社(純粋持株会社) ●田中貴金属工業株式会社
田中貴金属インターナショナル株式会社 ●田中貴金属販売株式会社
●日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース株式会社 ●田中電子工業株式会社
田中貴金属ビジネスサービス株式会社 ●田中貴金属ジュエリー株式会社

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