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富士キメラ総研、デジタルAV機器の世界市場調査結果を発表
デジタルAV機器の世界市場を調査
−2016年予測−
・有機ELテレビ:世界1,800万台/日本230万台 低価格化と共に市場拡大 3D対応も進む
・ヘッドマウントディスプレイ:世界42.8万台/日本7.8万台 11年日系メーカー参入し活性化
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 田中 一志03−3664−5839)は、コンシューマ向けデジタルAV(音響・映像)機器及び情報通信機器の世界市場(一部は日本国内市場のみ)を調査した。
その結果を報告書「デジタルAV機器市場マーケティング調査要覧(2012年版)」にまとめた。
この調査では、テレビ/ディスプレイ、レコーダー/プレーヤー、ポータブル機器、カメラ/表示機器、オーディオ、エンターテインメント/情報機器、車載機器といったデジタルAV機器及び情報通信機器(計40品目)について、現状を分析し今後を予測した。
中でも、需要先として注目される中国、ブラジル、インド、ロシアといった新興国市場の動向、デジタルAV機器・情報通信機器を取り巻く環境(自然災害の影響、デジタル放送化の進展、次世代テレビやスマートデバイスの動向)の分析、注目機能・デバイスの搭載状況、省エネの対応状況、デジタルコンバージェンス(※1)化の進展、ネットワークサービスの利用動向などを詳述した。
また、デジタルAV機器・情報通信機器に関連する主要デバイス(計10品目)についても調査・分析を行った。
※1:デジタル化による従来の製品カテゴリーを超えた機能融合/集約
<注目市場>
1.有機ELテレビ
※表資料は、添付の関連資料「参考資料」を参照
有機ELテレビは、Samsung ElectronicsとLG Electronicsが2012年中の発売を予定している。市場が本格的に立ち上がる同年は、世界で10万台、日本で1万台が見込まれる。液晶テレビよりも高価であることや参入企業が限られることから、当面は先進国の一部ユーザーの需要に限定されると考えられる。
参入企業の増加や量産技術の確立によって低価格化が進み、既存の液晶テレビやPDPテレビの置き換えとして市場が拡大していく見通しである。2016年は世界市場で12年比180倍の1,800万台、日本市場で同230倍の230万台が予測される。高画質など機能面へのニーズがまだ低い新興国市場は、先進国で一定の市場が確立し低価格化が進んだ後に立ち上がるとみられる。応答速度の速さが特徴であるため3D(立体視)にも適しており、3D対応が標準化していくと考えられる。2016年には世界市場で83%が3D対応と予測される。
2.ヘッドマウントディスプレイ
※表資料は、添付の関連資料「参考資料」を参照
ヘッドマウントディスプレイは、映像や音楽の視聴を目的として、頭部に装着するディスプレイである。市場規模は小さいものの、3Dコンテンツの普及や高解像度への対応などを背景として、先進国を中心に拡大している。
2011年はソニーとセイコーエプソンが相次いで参入したことで、ヘッドマウントディスプレイの認知度が広がり市場が活性化している。同年の世界市場は前年比54.0%増の7.7万台、日本市場は同83.3%増の1.1万台となった。
ソニーとセイコーエプソンはそれぞれ販売国・地域を拡大していることから、2012年の世界市場は前年比2.1倍の15.8万台、日本市場は同3倍の3.3万台が見込まれる。今後、更なる高解像度化が期待されるほか、映像コンテンツの多様化や視聴機会の増加も後押しして、2016年の世界市場は2011年比5.6倍の42.8万台、日本市場は同7.1倍の7.8万台が予測される。
3.インターネット対応テレビ
※表資料は、添付の関連資料「参考資料」を参照
インターネット対応テレビは、ネットワーク接続に対応しており、各種映像配信コンテンツが視聴可能なデジタルテレビを対象としている。アプリケーションのダウンロード・インストールが可能なテレビも含んでいる。インターネット対応テレビの一部は、通称"スマートテレビ"と呼ばれている。
インターネット対応テレビは、インターネットインフラの整備が進んでおり、また、デジタルテレビの需要が一巡した先進国を中心に普及している。2011年の世界市場は、前年比35.8%増の5,200万台であった。国・地域別の構成比は、欧州(35%)、日本(20%)、中国(19%)、北米(17%)の順となった。日本では、インターネット対応テレビが既にデジタルテレビ市場全体の過半数を占めているため、2010年はインターネット対応テレビ世界市場において最も高い構成比(39%)であった。しかし、2011年は"地デジ特需"の反動でデジタルテレビ市場全体が落ち込む中、インターネット対応テレビも前年比30.0%減の1,050万台となり、構成比を下げた。一方、欧州や北米は順調に増加したほか、中国は前年比2.5倍となり構成比を高めた。2014年、2016年にスポーツイベントを控えている南米においても、需要拡大と連動し市場が急速に立ち上がった。
世界市場は、当面2桁成長が続く見通しである。2012年には前年比44.2%増の7,500万台が見込まれ、2016年には2011年比3倍の1億5,360万台が予測される。世界的にはデジタルテレビ市場全体におけるインターネット対応テレビの割合はまだ低いが、アプリケーションの増加や他機器との連携進展などが後押しして拡大が見込まれ、2016年には過半数に達すると予測される。一方、日本市場は2012年に前年比42.9%減の600万台となり、2年連続の大幅縮小が見込まれる。これを底に反転するものの、"地デジ特需"で既に需要の先食いをしているため大幅な増加は期待できず、2016年においても760万台に留まると予測される。
4.ヘッドフォン
※表資料は、添付の関連資料「参考資料」を参照
ヘッドフォンは、デジタルオーディオプレーヤーやホームオーディオなどと接続した音楽鑑賞用途に加えて、スマートフォンと接続した通話及び音楽鑑賞用途としての需要が増加している。2011年の世界市場は前年比12.7%増の1億6,450万台、日本市場は同1.4%増の1,480万台となった。今後もスマートフォン向けの需要が牽引し、2016年の世界市場は2011年比52.9%増の2億5,150万台、日本市場は同12.8%増の1,670万台が予測される。
スマートフォンにおけるBluetooth機能の標準搭載が進んでいることで、ヘッドフォンにおいてもBluetooth機能搭載製品への需要が高まっている。2011年時点では日本市場のうち10%がBluetooth機能搭載製品であったが、2016年には27%に上ると予測される。世界市場においても、2011年の4%から2016年には16%へ上昇すると予測される。
<デジタルAV機器 日本国内市場の概要>
※添付の関連資料「参考資料」を参照
本調査で対象としたデジタルAV機器の日本国内市場は、2011年に前年比9.3%減の7,671万台、同21.6%減の2兆935億円となった。デジタルAV機器は、"地デジ特需"の反動から液晶テレビなどが大きく落ち込んだほか、東日本大震災の影響でカメラ、オーディオの趣向性の高い一部品目が伸び悩んだ。
今後、デジタルAV機器は"地デジ特需"の反動が落ち着いて反転が見込まれるものの、デジタルAV機器の普及率の上昇や少子高齢化の影響などを要因に、高成長は難しいと考えられる。2016年は2011年比12.2%減の6,732万台、同26.3%減の1兆5,438億円が予測される。
<調査対象>
※添付の関連資料「参考資料」を参照
<調査方法>
富士キメラ総研専門調査員による調査対象企業、関連企業への直接取材を基本としたヒアリング調査及び保有データベースや外部関連情報などの補足活用
<調査期間>
2012年2月〜4月
以上
資料タイトル:「デジタルAV機器市場マーケティング調査要覧(2012年版)」
体裁:A4判 304頁
価格:97,000円(税込み101,850円)
CD−ROM付価格 107,000円(税込み112,350円)
集計ファイルセット価格 117,000円(税込み122,850円)
調査・編集:株式会社 富士キメラ総研 研究開発本部 第二研究開発部門
TEL:03−3664−5818 FAX:03−3661−5275
発行所:株式会社 富士キメラ総研
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