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アンジェスMG、抗菌作用と創傷治癒促進効果を併せ持つペプチドの研究成果を発表
創傷治癒ペプチドの学会発表に関するお知らせ
〜抗菌活性と創傷治癒促進効果を併せ持つ新規ペプチドについて日本皮膚科学会で報告〜
当社は、大阪大学で発見された抗菌作用と血管新生作用を併せ持つペプチドを改変して新規ペプチドを見出し、創傷治療薬としての可能性を探るためにin vitro/in vivoの双方から評価を行ってきました。この度、第111回日本皮膚科学会総会(6/1−3、京都国際会館で開催)でその研究成果を公表しましたのでお知らせいたします。
創傷治療の過程では、感染による治癒遅延が起きることがありますが、消毒剤は創傷治癒を妨げることが判明したため、最近ではほとんど使用されなくなりました。そのため、感染創の薬物療法はアンメット・メディカル・ニーズの一つとなっております。
この度公表しました新規ペプチドは、広い抗菌スペクトルを有し、院内感染で問題となる耐性菌にも有効で、創傷に用いられる抗菌外用剤と同程度の抗菌効果を示しました。一方、in vitro試験において、当ペプチドは創傷の治癒に必要となる肉芽組織発達や血管新生を促進させる薬理作用を示しました。また、in vivo試験において、熱傷や糖尿病皮弁による難治性潰瘍モデルで有効性を示し、さらに細菌による感染創モデルでも治癒遅延は起こしませんでした。
このように、一連のin vitro/in vivo試験結果から、当ペプチドは感染を防ぎつつ創傷治癒を促進することが示唆され、受傷直後から閉創完了まで幅広く用いることのできる創傷治療薬としての可能性を有している事が明らかになりました。そのため、当社では当新規ペプチドを社会的ニーズに満たす製品として提供するため、創傷治療薬としての早期実用化を目指して参ります。
なお、平成23年9月1日に公表しましたように、「機能性ペプチド」を用いた「感染問題解決のための褥瘡用医療機器」を森下仁丹株式会社と進めております。この度公表しました新規ペプチドは次世代の化合物です。
本件による本年度の業績に与える影響は軽微であり、公表値に変更はありません。
以上