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三菱化学とパイオニア、塗布成膜プロセスによる長寿命・高効率有機EL素子を開発

2012-06-07

■塗布成膜プロセスによる有機EL照明で実用レベルの長寿命と高効率化を達成
■量産技術確立に向けた検証設備の設置を決定


 三菱化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:石塚 博昭、以下「三菱化学」)とパイオニア株式会社(本社:神奈川県川崎市、社長:小谷 進、以下「パイオニア」)は、このたび、発光層を塗布プロセスで成膜した有機EL素子の開発に成功し、併せて、量産技術の確立に向けた検証設備の設置を決定しました。

 現在、有機EL照明パネルは、「蒸着」成膜プロセスによる製造が一般的であり、発光性能を上げるため、発光層を複層化する(「マルチユニット」)など、複雑な構造となっています。

 しかし、面積が広く、欠陥の少ない均一発光面のパネルを低コストで量産するためには、「塗布」成膜プロセスでの製造が優れていると考えられます。

 中でも、有機EL照明パネルの性能に大きく影響し、材料費が高額な発光層を、塗布プロセスで成膜することが強く求められていましたが、これまで開発されたものは、発光効率や寿命が照明用としては不十分でした。

 これに対し、三菱化学とその研究開発子会社である株式会社三菱化学科学技術研究センター(所在地:神奈川県横浜市、社長:森 知行)およびパイオニアは、2010年1月より、塗布成膜プロセスによるシンプルなシングルユニット構造(ご参考図参照)の有機EL照明パネルの共同開発を進めてきました。

 このたび開発に成功した有機EL素子(白色型およびフルカラー調色型)では、三菱化学が開発した塗布成膜プロセス用の独自の発光材料の使用と、両社が共同で素子設計および塗布成膜プロセスを最適化することで、照明として実用レベルの長寿命と高効率化を達成しました。

 すなわち、白色輝度1,000 cd/m2における輝度70%寿命として、白色型で「5.7万時間」という長寿命を達成し、発光効率についても、フルカラー調色型の2,000 cd/m2で「56 lm/W」という高効率化を実現しています。

 これらの成果を踏まえ、三菱化学パイオニアは、塗布成膜プロセスによるシングルユニット発光層の有機EL照明パネルの量産技術確立に向けて、検証設備の設置を決定しました。

 この設備では、G1ガラス基板サイズ(40cm×30cm)での塗布成膜プロセスによる有機EL照明パネルの試作と性能評価が可能であり、量産技術の開発と検証を目的としています。

 本検証設備は、2012年夏からの稼働に向け、東北パイオニア株式会社(パイオニア100%子会社、本社:山形県天童市、社長:塩野 俊司)の米沢事業所内(所在地:山形県米沢市)に設置する予定です。
(なお、本件にかかる費用の一部に、経済産業省の「イノベーション拠点立地推進事業『先端技術実証・評価設備整備費等補助金』」を充当します)

 三菱化学パイオニアは、2014年度までの有機EL照明の本格事業化に向け、早期の量産技術確立を目指します。


以 上


 ※参考資料は添付の関連資料を参照

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