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米ザイリンクス、AMBA4 AXI4 IPコアを採用のISE Design Suite 12.3を発表
ザイリンクス、AMBA 4 AXI4 IPコアを採用した ISE Design Suite 12.3を発表、PlanAheadデザイン解析ツールの機能強化や消費電力の最適化機能を向上
AXI4 インターフェイスを実現するIPを初めてサポート、プラグアンドプレイのFPGAデザインに対応
ザイリンクス社(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、NASDAQ:XLNX)は10月5日(米国時間)、ISE(R)Design Suiteのリリース12.3を発表した。
システムオンチップ(SoC)デザインにおける機能ブロック間インターコネクトのためのAMBA(R)4 AXI4(TM)仕様に準拠したIPコアを初めて採用したほか、PlanAhead(TM)デザイン解析ツールでは生産性を高めるさまざまな機能強化をはかり、Spartan(R)−6 FPGAを使用したデザインにおけるダイナミック消費電力の削減を支援するクロックゲーティング技術にも対応した。
ザイリンクスのワールドワイド マーケティング担当シニア バイス プレジデントであるヴィン ラトフォード(Vin Ratford)は、「ザイリンクスは、インターコネクト戦略の一環として AMBA 4仕様準拠に標準化を行い、プラグアンドプレイFPGA設計を初めて可能にしました。AMBA AXI3および AXI4へのインターフェイスIPの設計に多大な投資をしてきたSoC設計者にとって、ザイリンクスのプログラマブル プラットフォームは、他社FPGAやASICソリューションより非常に賢明な選択肢です。AXI4インターコネクトは、その本来持つ柔軟性によって、性能や使用面積に合わせた設計がしやすく、異なったドメインやプロバイダのIPを統合することも容易です。また、ASICの設計者は、過去に設計したデザインやIPをザイリンクスのFPGAに移行させることもできます」と語っている。
ザイリンクスがAMBA 4 AXI4仕様を採用したことで、ユーザーはIPブロック間のインターコネクトを一貫した方法で行うことが可能になり、また、IPの利用および再利用によって設計リソースの効率性を高め、また複数のIPプロバイダ間の統合も容易になる。これらはいずれもプラグアンドプレイFPGA設計の実現には重要である。コアの使用やコアを作成するツール類においては、ISE Design Suite 12.3はCORE Generator(TM)ツールの機能強化を行っており、高度にパラメータ化されたIPへアクセスすることで設計期間を短縮できる。また、ザイリンクスPlatform StudioおよびSystem Generatorの両ツールを使うことにより、システムアーキテクチャやバス、ペリフェラルを短時間で構成することができる。
ARM社のプロセッサ部門マーケティング ディレクタであるマイケル ダイムロー(Michael Dimelow)氏は、「最新のデザインはより複雑で大きくなってきていますが、これはすなわち、機能ブロック間のコミュニケーションとインターコネクトがシステム性能にクリティカルであることを意味します。AMBA標準がもつ性質により、SoCおよびFPGA に実装できるIPの幅が大きく広がる点で大きなメリットを提供し、さらに Time−to−Market の短縮に貢献します」と語っている。
Mercury Computer Systems 社のシリコン IP エンジニアリング担当ディレクタ、チャーリー フレーザー (Charlie Frazer) 氏は、「Mercury Computer では各種標準への準拠性と業界への影響力とを高めるため、当社の各種インターフェイスを AXI4 に準拠させています。広範なエコシステム対応や Time−to−Market の短縮、ザイリンクス製品との相性の良さがその理由です」と語っている。
ザイリンクスが AMBA プロトコルを採用したことにより、設計者は既に確立されている ASIC 検証手法や既存の AMBA プロトコル ベースの IP を利用することも可能になり、SoC プラットフォームとしての FPGA への移行がより容易になる。
Cadence 社のSystem & SoC Realization 向けプロダクト マネージメント グループの担当ディレクタであるミカル シウィンスキ (Michal Siwinski) 氏は、「当社では長年にわたって業界をリードする SoC Realization のための AMBA 検証ソリューションを提供しており、ザイリンクスとの協業により AXI4 に対応しています。これは、Cadense の先端ベリフィケーション IP やエンタープライズ ベリフィケーション技術を活用して、プロトタイプでも量産向けでもデザインに FPGA を使用して SoC 設計を行うエンジニアにとっては大変嬉しいニュースとなるでしょう。ザイリンクスとの協業により、設計者はどんなツールを使ってもデザインのモデリングや検証を容易に実現できるバス機能モデルを手にすることができるのです」と語っている。
■PlanAhead デザイン解析ツールの拡張
ISE Design Suite に含まれる PlanAhead デザイン解析ツールは、このリリースよりシームレスな「プッシュ ボタン」フローと、高度な視覚化/分析フローを実現している。また、PlanAhead ツールの操作画面には、プロジェクト管理、合成、CORE ジェネレータ インテグレーション、フロア プランニング、プレイス アンド ルート、ChipScope Pro ツール インテグレーション、ビットストリーム生成などの機能を統合している。このように、ひとつのデザイン 操作画面から AXI4 プロトコル IP コアをはじめとするザイリンクスのすべての IP に直接アクセスしたり検索したりすることが可能になる。
■Spartan−6 FPGA 用のインテリジェントなクロック ゲーティング技術
2010 年 5 月発表の ISE Design Suite 12 の最初のリリースでは、FPGA 業界として初めてのクロック ゲーティング テクノロジを採用した。これは、完全に自動化された分析機能とファイン グレイン (ロジック スライス単位の) 最適化機能を備えている。これらの機能は、デジタル デザインにおけるダイナミック消費電力の散逸の主な要因となるトランジション数を削減することを主な目的に開発されたものである。この技術は、各 FPGA ロジック スライス中のシーケンシャル エレメント (トランジション) のうち、ダウン ストリームのロジックやインターコネクトに影響しない部分を独自のアルゴリズムによって検出することで、ダイナミック消費電力を最大で 30% 削減できる。このように、ロジック スライスのレベルで不必要な活動を自動的にシャットダウンし、クロック ネットワーク全体を閉じることなく消費電力を低減するクロック イネーブル ロジックを生成する。リリース 12.3 では、クロック ゲーティング技術が低コスト Spartan−6 FPGA と高性能 Virtex(R)−6 FPGA の両ファミリに対応している。
■AMBA 4 AXI4 プロトコル
AXI4 プロトコルは AMBA インターフェイス仕様で定義づけされているが、この仕様は ARM が 15 年以上も前に導入したもので、オンチップ コミュニケーションのデファクト スタンダードである。2010 年 3 月に導入された AMBA 4 は、ザイリンクスなど業界を代表する OEM や EDA、半導体ベンダ企業 35 社の意見を取り入れ、業界のために業界の手によって作られた仕様である。AMBA 4 仕様には、AXI4 や AXI4−Lite、AXI4−Stream を含む AXI インターコネクト プロトコル ファミリの定義が含まれている。AXI4 プロトコルは、システム オンチップの性能問題に対処するために開発された Point−to−Point (P2P) インターフェイスを定義している。これは、パイプライニングやマルチプル クロック ドメイン、データのアップサイジング/ダウンサイジングに対応している。AXI4 定義にはまた、アドレス パイプライニングやアウトオブ オーダー完了、マルチスレッド トランザクションといった機能も含まれている。これら多彩な機能があいまって、他のバス アーキテクチャよりもはるかに高い性能を発揮する。その効果の一例として、ザイリンクスのエンベデッド ターゲット リファレンス デザインを AXI4 に変換したところ、変換する前のターゲット リファレンス デザインに比べて 2 倍の通信速度が実現した。ザイリンクスのコネクティビティおよび DSP ターゲット リファレンス デザインでも同様に、AXI4 に変換するとわずかな使用リソースで最大限のデータ スループットを実現した。
■価格設定と供給体制
ISE Design Suite 12.3 はすべての ISE のエディションに統合されており、価格は Logic Edition の 2,995 米ドルより提供している。全機能の利用が可能な 30 日評価バージョンがザイリンクスの Web サイトにて無償でダウンロードできる。ISE Design Suite 12 で導入された消費電力およびコストを削減するさまざまなデザイン メソドロジや、生産性の向上を実現する各種イノベーションに関する詳細は、 http://japan.xilinx.com/tools/designtools.htm を参照されたい。
AXI4、AXI4−Lite、AXI4−Stream を含む AMBA 4 フェーズ ワンの仕様は、http://www.amba.com でダウンロードできる。
■ザイリンクスについて
ザイリンクス (NASDAQ:XLNX) は、プログラマブル プラットフォームのリーディング プロバイダである。詳しい情報は Web サイト http://japan.xilinx.com/ で公開している。
※ザイリンクスの名称およびロゴ、Virtex、Spartan、ISE、そのほか本プレスリリースに記載のブランド名は米国およびそのほか各国のザイリンクス社の登録商標または商標です。AMBA、AXI4、AXI4−Lite、AXI4−Stream は ARM 社の商標です。その他すべての登録商標は、それぞれの所有者に帰属します。