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ルネサスエレクトロニクス、モバイル・車載機器向けにカラーマネージメントシステムを開発

2012-05-26

モバイル・車載機器向けに、高画質デジタルTVの画像表示を容易に実現する
カラーマネージメントシステムを提供開始
〜モバイル・車載機器用では業界初、各ディスプレイにあわせた色・輝度信号の高精度処理用パラメータ(設定値)を自動設定する市販ソフトウェアを、デジタルTV向け技術活用により実現〜



 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)は、このたび、ハイビジョン画像等に対応したスマートフォン、タブレットなどのモバイル機器や車載情報端末等向けに、デジタルTVで用いている高画質画像表示技術であるカラーマネージメントシステムを開発。ルネサスおよび子会社であるルネサス モバイル株式会社製の車載情報端末用SoC(System On a Chip、以下システムLSI)「R−Carシリーズ」に対応した版の提供を本年6月より開始いたします。

 本カラーマネージメントシステムは、どのディスプレイでも同じように画像本来の色彩で表示するための色・輝度信号の高精度処理や、ディスプレイとプリンタなどの機器間での再現色を合わせる等の管理を行うソフトウェアです。(1)システムLSIが搭載する色・輝度の高精度処理・管理機能を十分に発揮するために必要なパラメータ(設定値)の算出には、幅広く高度な技術ノウハウが必要なため、従来はモバイル・車載機器での対応が困難でしたが、今回開発した、パラメータを自動算出・設定するソフトウェアにより、ディスプレイ性能を最大限に引き出し、高コントラストで色鮮やかな高画質映像を容易に実現可能です(注1)。
 また、(2)6色(RGBYCM)毎に輝度・彩度等の調整を行う6軸調整や、特色補正、ダイナミック・ガンマ補正等の約10数種類の高画質化機能をソフトウェアで処理できるよう準備しており、従来機能毎に搭載していたハードウェアが不要となるため、システムの小型化や開発期間の短縮等のコスト削減が図れます。加えて、(3)提供する高画質化機能ごとに調整用GUI(Graphical User Interface)や機能効果確認用シミュレータ、および調整済パラメータ値を準備しており、さらなるシステム開発の容易化を提供できます。
 なお、ルネサスおよびルネサス モバイル製のモバイル用システムLSI「R−Mobileシリーズ」につきましても、今後サポートしていく予定です。


<開発の背景>
 従来、映像コンテンツの高画質視聴は、デジタルTVやプロジェクタによる家庭内や映画館など室内での鑑賞に限られていました。しかし、スマートフォン、タブレット等のモバイル機器や車載情報端末が急速に普及し、それらの機器で地上波デジタル放送やインターネット・コンテンツ、BD/DVD、デジタルカメラの静止画・動画像など各種の映像表示に対応するようになったことから、さらなる高画質の画像視聴に対する要求が年々高まっています。
 一方、現状のモバイル・車載機器は、画像表示のためのコントラスト・ブライトネス・カラー・ティント等のユーザ調整機能や画面内に存在するオブジェクトの認識を容易にするためのダイナミック・レンジ補正機能は存在していましたが、高画質化のための特別な処理はしておらず、これらコンテンツに対しての高画質デジタルTV同等の高画質技術が求められています。

 ルネサスでは、このようなニーズに対応し、ルネサスおよびルネサス モバイル製のシステムLSI「R−Mobileシリーズ」、「R−Carシリーズ」において、色・輝度信号を高精度処理する機能として1次元や3次元ルックアップテーブル(注2)等を搭載し対応しております。これらは、いわゆる“絵作り”を行うケースや、異なったディスプレイ間やディスプレイとプリンタなどの機器間での再現色を合わせる“カラーマネージメント”を行うケースで非常に有効ですが、その処理を行うための最適なパラメータ値(設定値)を作成・設定するには、色・輝度を処理・管理する幅広く高度な技術ノウハウが必要となり、その機能を十分に活用した高画質表示は困難でした。このため当社は、長い間ハイエンドのデジタルTV等向けに蓄積した色・輝度を処理・管理する豊富な技術ノウハウをモバイル・車載機器向けに活用し、今回「R−Carシリーズ」に搭載されている機能を最大限に活用できるカラーマネージメントシステムを製品化したものです。


<製品について>
 新製品の主な特長は以下の通りです。

 (1)高画質化技術を駆使したソフトウェア処理により、高コントラストで色鮮やかな画像を実現
   「R−Carシリーズ」が色・輝度信号処理用の機能として搭載する1次元や3次元ルックアップテーブル等の高精度処理を行うための最適なパラメータ値(設定値)を自動的に作成・設定する高画質処理技術用ソフトウェアを車載機器用としては業界で初めて製品化し、提供します。これにより、ユーザは色・輝度を処理・管理する幅広く高度な技術ノウハウがない場合も容易に高コントラストで色鮮やかな画像を実現する“カラーマネージメントシステム”を開発可能です。また、高画質処理システムの開発期間の短縮にも貢献いたします。

 (2)色・輝度処理ハードウェアを最大限に活用したソフトウェア処理による機能ライブラリを提供
   従来、色・輝度の高画質処理はLSI等のハードウェアで実現されていましたが、本システムでは、ソフトウェアにより機能を実現します。そして提供する6軸調整などの約10数種類の高画質化機能は機能毎にライブラリ化しているため、必要な機能ライブラリを自由に選択することが可能です。
   (選択した機能ライブラリが、「R−Carシリーズ」に搭載されている色・輝度処理用ハードウェアIPのVSP/VIOに最適なパラメータを自動的に作成・設定します。)

   更に複数の機能ライブラリを選択することで、複数機能の同時動作も可能となります。このため、新製品では、ハードウェア仕様による制限が少なく、ニーズに対して最適な高画質ソリューションを柔軟に提供できます。また、こうした機能ライブラリは、新製品が提供するソフトウェアを「R−Carシリーズ」に実装するだけで完成し、その他の特別なハードウェアを追加搭載する必要がないため、システムの小型化や開発期間の短縮等のコスト削減が図れます。

 (3)ソフトウェア処理による機能提供と調整用GUI等の提供による充実したユーザ・サポート
   ソフトウェアによる機能実装であるため、性能改善やカスタマイズ等の様々なニーズへの柔軟な対応が可能であり、採用後のメンテナンスに関しても万全のサポートを提供可能です。また、ユーザ側での機能ライブラリを使用した開発工程においても、調整用GUIや機能効果確認用シミュレータ、および調整済パラメータ値の提供等、充実したサポートを準備します。

 当社では今後、モバイル用「R−Mobileシリーズ」へのサポートを予定すると共に、カラーマネージメントシステムとして、色・輝度信号処理による高画質化を実現する数多くの魅力的な機能ライブラリの開発を行い、幅広くタイムリーに市場のニーズに対応していきます。また、関連ハードウェアおよびソフトウェアの性能向上、更には、調整用GUIや機能効果確認用シミュレータ以外のサポートに関しても充実化を図ってまいります。
 ソフトウェア機能ライブラリ仕様と高画質処理例は、webサイトをご参照ください。
 http://japan.renesas.com/press/news/


 また、ルネサスは2012年5月23〜25日に横浜市で開催される「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展 2012」に本カラーマネージメントシステムを出展いたします。


以上


(注1)本カラーマネージメントシステムは、当社「R−Mobileシリーズ」、「R−Carシリーズ」に搭載されている1次元や3次元ルックアップテーブル(注2参照)、および入力画像の輝度や色の分布を解析するヒストグラム等のハードウェアの設定パラメータを提供機能毎に準備したソフトウェアで自動算出・設定することにより、高画質画像を実現します。

(注2)ルックアップテーブルは、入力信号のレベル毎に準備されたテーブルデータに調整パラメータを入力し、任意の出力レベルに設定することにより、絵作りなどの画質調整や異なった機器間での再現色を合わせる機能です。



*本リリース中の製品名やサービス名は、全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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