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ユニチカ、乳製品と同時摂取すると「β−クリプトキサンチン」の吸収性が向上などと発表

2012-05-22

乳製品との同時摂取による
β−クリプトキサンチンの吸収性向上について
−第66回日本栄養・食糧学会トピックス賞受賞−



 ユニチカ(株)中央研究所(京都府宇治市)は、温州(うんしゅう)みかん搾汁残さから抽出したβ−クリプトキサンチン(乳化タイプ)(※1)と乳製品を、同時に摂取する健常人による飲用試験を行ったところ、β−クリプトキサンチン単独の場合よりも血液中へのβ−クリプトキサンチン吸収量が、牛乳の場合で約1.9倍、ヨーグルト飲料の場合で約1.6倍増加する結果が得られましたのでご報告いたします。この結果につきましては、5月18日から開催されます第66回日本栄養・食糧学会大会(東北大学)におきまして発表する予定です。また、同大会におきましてトピックス賞に選定されております。


1.開発の経緯
 β−クリプトキサンチンは、温州みかん・柿などに多く含まれる橙色の色素で、ニンジンに多く含まれるβ−カロテンや、トマトのリコペンと同じカロテノイド(※2)の1種です。β−クリプトキサンチンは、日本固有種である温州みかんに特異的に多く含まれ、その含有量と消費量から考えて、温州みかんが唯一の供給源であると言っても過言ではありません。また、そのことを反映して、日本人は欧米人に比較して血中のβ−クリプトキサンチン量が多いことが知られています。しかしながら、ニンジン中のβ−カロテン含有量が7〜8mg/100gであるのに対し、温州みかん中のβ−クリプトキサンチン含有量は1〜2mg/100gと少なく、効率よく生体内に吸収させる必要がありました。
 そこで、β−クリプトキサンチンの吸収性を向上させる素材の探索を実施したところ、乳製品にその作用が見られました。

 *参考画像1は添付の関連資料を参照


2.乳製品との同時摂取による吸収性向上について
 β−クリプトキサンチン(乳化タイプ)は、温州みかん残さより抽出された温州みかん抽出物を乳化剤によって乳化した新商品です。このβ−クリプトキサンチン(乳化タイプ)の生体への吸収性は、等量のβ−クリプトキサンチンを含む温州みかんジュースよりも5倍以上優れていることがわかっていますが、他の食材との同時摂取によってどのような効果があるかは未知数でした。そこで、牛乳およびヨーグルト飲料とβ−クリプトキサンチン(乳化タイプ)の同時摂取による飲用試験を行いました。健康成人12名を対象として、β−クリプトキサンチン2.4mgと乳製品(牛乳、ヨーグルト)を同時に摂取し、摂取前と摂取7時間後の血清β−クリプトキサンチン量を分析しました。その結果、β−クリプトキサンチンと乳製品を同時に摂取することで、血液中へのβ−クリプトキサンチンの吸収量が、水と比べて牛乳では約1.9倍、ヨーグルト飲料では約1.6倍増加することがわかりました。

 また、小腸のモデル細胞であるCaco−2細胞を用いて試験を行った結果、牛乳由来の乳脂肪分にβ−クリプトキサンチンの吸収を増加させる効果が認められました。この増加効果は細胞に対して一定量以上の乳脂肪分を添加した場合に観察されました。通常カロテノイド類が吸収される際に作用していると考えられるSR−BI(※3)タンパク質の阻害剤を使用し、吸収を抑制した条件において、β−クリプトキサンチンと乳脂肪分を併用すると吸収量が低下しなかったことなどから、乳脂肪分は小腸においてβ−クリプトキサンチンの単純拡散による吸収促進作用があるのではないかと予測されます。なお、本成果に関しましては5月18日から20日まで東北大学宮城県)で開催される第66回日本栄養・食糧学会大会にて報告する予定であり、同大会におきましてトピックス賞に選定されております。



 *以下、リリース詳細は添付の関連資料を参照


※1:β−クリプトキサンチン(乳化タイプ)
 新商品のβ−クリプトキサンチン乳化タイプは、温州みかん搾汁残さから抽出した温州みかん抽出物を乳化剤を用いて水に溶解しやすいように調製した製品で、100g中にβ−クリプトキサンチン(フリー体換算)を40mg以上含有します。混合するだけで簡単に水に溶解できますので、あらゆる飲料・ドリンクに配合でき、さらに生体吸収性にも優れています。

※2:カロテノイド
 天然に存在する色素の一群の総称。炭素数40からなる直鎖型の化合物で、非常に抗酸化作用が強い物質です。カロテノイドの一種であるβ−カロテン、β−クリプトキサンチンなどは摂取するとビタミンAへと変換されます。

※3:SR−BI(スカベンジャー受容体クラスBタイプI)
 約500個のアミノ酸がつながった膜貫通型のタンパク質。血液中のコレステロールの一部は、高密度リポタンパク質(HDL)として結合して血液中に存在しています(善玉コレステロール)。SR−BIは、コレステロールを高密度リポタンパク質(HDL)から細胞内に取り込む働きをするタンパク質として知られています。通常、カロテノイドもこの経路で取り込まれることが分かっています。


以 上

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