小野薬品、独スキルプロテインズとタンパク質創製技術を利用した創薬で提携

独スキルプロテインズ社とアフィリン（Ｒ）技術を利用した創薬で提携


　小野薬品工業株式会社（本社：大阪市中央区、以下、当社）とＳｃｉｌ　Ｐｒｏｔｅｉｎｓ　ＧｍｂＨ社（ドイツ・ハレ市、以下、スキルプロテインズ社）は、タンパク質医薬品の創製を目指して共同研究契約を締結しましたので、お知らせいたします。

　今回の契約締結により、当社はスキルプロテインズ社に対して、提携期間中の研究資金を提供するとともに、研究開発の進捗に応じたマイルストンを支払います。また、上市後は売上高の目標達成に応じた販売マイルストンと売上高に応じたロイヤルティを支払います。スキルプロテインズ社は研究資金の提供を受けて、今後、同社独自のタンパク質創製技術であるアフィリン（Ｒ）技術を駆使し、当社が選択した創薬標的に結合するタンパク質を作製します。一方、当社はスキルプロテインズ社が作製したタンパク質の活性や安全性などを評価し、両社で新薬候補化合物の創製に取り組みます。なお、当社は、今回の提携により創製されるタンパク質を全世界で独占的に開発・販売する権利を有しています。

　スキルプロテインズ社の最高事業開発責任者であるＨｅｎｎｉｎｇ　Ａｆｆｌｅｒｂａｃｈ氏は、「今回の小野薬品との提携は、スキルプロテインズ社にとって大きな節目であり、我々のアフィリン（Ｒ）技術の有用性が評価された結果であると考えています。スキルプロテインズ社オリジナルなタンパク質作製技術と小野薬品の長年の創薬経験で培われた研究開発ノウハウを組み合わせることで、世界をリードする研究ができることを大変喜ばしく思います。」と述べています。

　小野薬品の取締役常務執行役員研究本部長である川■ 和一十氏（※）は、「スキルプロテインズ社は、当社が今回選択した創薬標的に結合するタンパクを創製するのに最適なパートナーであると評価しています。今回の提携を通じて、未充足医療ニーズを満たす革新的医薬品が創製できることを期待しています。」と述べています。

※小野薬品の取締役常務執行役員研究本部長の氏名正式表記は添付の関連資料を参照


＜参考＞スキルプロテインズ社について
　スキルプロテインズ社はドイツ・ハレ市の非上場企業で、アフィリン（Ｒ）と呼ばれる特殊なタンパク質を利用した研究開発を進めるとともに、タンパク質を使った治療薬および診断薬の開発や製造に関して複数の企業と提携しているバイオ製薬企業です。スキルプロテインズ社は、がん領域においてアフィリン（Ｒ）技術を用いた新薬候補化合物を有しており、またタンパク製剤の生産と製造法に関する長年の研究開発で培われた専門知識を基に、バイオ企業や製薬企業からタンパク製剤のＧＭＰ原薬の生産を受託しています。同社は、最新の設備と高い技術力で最高水準の顧客サポート体制を整えることで、Ｒｏｃｈｅ社やＡｃｔａｖｉｓ社、Ｌｕｎｄｂｅｃｋ社など数多くの企業の組み換えタンパク製剤に関して、その生産と製造工程の開発を支えています。詳細については、http://www.scilproteins.comをご覧ください。


＜アフィリン（Ｒ）技術について＞
　アフィリン（Ｒ）技術とは、アフィリン（Ｒ）と呼ばれる特殊なタンパク質を利用して、優れた医薬品を創製する技術です。アフィリン（Ｒ）とは、ユビキチンと呼ばれる生体内のタンパク質を基に、特定の創薬標的に強く結合するように改変されたタンパク質で、抗原性がほとんどないことや、医薬品として利用する上で重要となる熱安定性に優れていることなどを特徴としています。


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