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ミック経済研究所、エンベデッドシステム・ソリューション市場に関する調査資料を発表
エンベデッドシステム・ソリューション市場は、2011年度8,400億円(3.6%減)の見込み。
2012年度は、景気の先行きが見えづらい環境は変わらないものの、製造業の業績回復と自動車関連や工業制御/FA/産業機器分野の投資回復などによって1.9%増の予測。
2013年度以降、家電や携帯電話分野の停滞が続くが、自動車関連の堅調な伸びとエネルギー関連機器の市場が広がっていくと予測され、エンベデッドシステム・ソリューション市場全体は2%強の緩やかな伸びが続く見通し。
エンベデッド・マーケットの実態を捉えたマーケティング資料
「エンベデッドシステム・ソリューション市場の現状と展望2012年度版」発刊
IT分野専門の市場調査機関である株式会社ミック経済研究所(本社:東京港区、社長:有賀章)は、エンベデッドシステム・マーケットの市場実態を捉えたマーケティング資料「エンベデッドシステム・ソリューション市場の現状と展望 2012年度版」を発刊した、と発表しました。
これは、前回2011年度版のアップデート版で、7版目となります。
本調査は、前回同様、エンベデッドシステム関連ベンダー110社を対象として、面接取材を中心に、アンケート、電話調査を併用しながら最新情報を収集、主要ベンダー65社の個別実態を積み上げ、エンベデッドシステム・ソリューション市場全体を推定した資料となっています。
調査結果の概要は、以下のとおりです。
<エンベデッドシステム・ソリューション市場規模推移>
図1に、エンベデッドシステム・ソリューション市場の推移を示します。
2011年度のエンベデッドシステム・ソリューション市場の市場規模は、8,400億円となる見込です。(前年度比96.4%)
市場を構成するハードウェア関連、ソフトウェア部品関連、サービス関連のそれぞれの市場規模の構成比は、ハードウェア関連が19.2%の1,610億円(前年度比98.8%)、ソフトウェア部品関連が14.3%の1,200億円(前年度比91.6%)、システム開発の受託サービスを中心とするサービス関連が66.5%の5,590億円(前年度比96.9%)です。
3月11日の東日本大震災については、今回調査した結果、震災直後に製造業のサプライチェーンがストップするという一時的混乱時期はあったものの、年間を通した製品開発への影響は限定的だったため、エンベデッドシステム・ソリューション市場の縮小または拡大の直接要因にはなりませんでした。
震災による一時的な生産・供給ラインのストップよりも、大手電機メーカーの一部が大幅な赤字に見舞われることになったことの方が影響が大きかったと言える。メーカーの業績悪化の要因としては、(1)震災後の消費行動の萎縮、(2)円高を背景にした国内景気の悪化、(3)欧州を中心に世界的な消費の冷え込みなどが挙げられる。こういった景気的な要因によって製品開発の予算が絞られ、既存製品におけるモデルの絞込みや開発サイクルの見直しが行われました。
加えて携帯電話市場では、大きな変化が起きています。2010年から2011年にかけてフィーチャーフォンからスマートフォンへのシフトが急速に進み、開発ボリュームの大きかったフィーチャーフォンに比べて、開発する部分が少ないAndroidベースのスマートフォン開発に変わったことで、携帯電話向けの売上が減少したことにより2011年度がマイナスとなりました。
2012年度は、国内製造業の業績回復が期待されますが、景気の先行きが見えづらい環境は変わらず、製品開発コストの縮小傾向は避けられません。また海外メーカーの台頭と開発拠点の海外シフトが顕著な情報家電や携帯電話は今後大きな伸びが期待できないなかで、EV(Electric Vehicle)やHEV(Hybrid Electric Vehicle)、燃料電池自動車などの環境対応車の開発が進む自動車関連のソフト開発(車載器、電子制御装置含む)の増加や工業制御/FA/産業用機器分野の投資回復などによって前年度比101.9%の8,560億円のプラス成長になると予測されます。
2013年度以降もAV家電、携帯電話は停滞し、自動車向けは堅調という傾向が続きます。また福島の原発事故からエネルギーに関する注目度が高まっており、エネルギー分野の機器市場は広がっていくと予測され、エンベデッドシステム・ソリューション市場は全体で2%強の緩やかな成長が続き、2013年度で8,740億円、2014年度で8,930億円、2015年度で9,140億円まで拡大すると予測されますが、長期的にリーマンショック以前の2008年度の規模(1兆750億円)まで戻ることは極めて難しいと予想されます。
なお、同資料の体裁はA4版616頁のファイル製本で、価格は199,500円(消費税含む)です。
(ファイル製本版+PDF版241,500円とCD−ROM版399,000円もご用意しております)
当該資料の概要ページ:http://www.mic-r.co.jp/mr/00546/index.html
*参考資料は添付の関連資料を参照