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三井住友建設、気泡ソイルセメント柱列壁工法を「グリーン購入法適合工法」として営業展開

2010-10-08

気泡ソイルセメント柱列壁工法を"グリーン購入法適合工法"として営業展開
〜気泡を利用してあらゆる地盤での建設汚泥を削減、遮水性も向上〜



■概要
 三井住友建設株式会社(東京都中央区佃2−1−6 社長 則久 芳行)は、"気泡ソイルセメント柱列壁工法"(注1)について、砂質土地盤に続いて粘性土地盤での実証試験により建設汚泥発生量の削減効果を確認し、あらゆる地盤に対して、グリーン購入法に基づく公共工事の特定調達品目である"泥土低減型ソイルセメント柱列壁工法"に適合する、環境負荷低減効果の高い土留め壁工法として、営業展開を開始しました。
 また、一連の現場実証試験により、ソイルセメント壁の遮水性も向上すること、ならびに土留め壁工事のみならず、各種遮水壁工事・土壌汚染対策工事にも従来工法より適していることが明らかとなりました。
 "気泡ソイルセメント柱列壁工法"は、環境保全意識の高い民間企業が設けている"グリーン調達基準"の要件を満たす工法であることから、環境負荷低減効果の高い土留め壁工法・遮水壁工法として積極的な営業を展開する方針です。

 注1)2009年4月に、三井住友建設株式会社は株式会社竹中土木、早稲田大学、有限会社マグマ、太洋基礎工業株式会社とともに"気泡ソイルセメント柱列壁工法"を共同開発し、水処理設備工事(砂質土地盤)において実証試験を実施したことを発表。砂質土地盤では、建設汚泥発生量を従来工法の40%程度削減できることを確認。


■技術開発の経緯
 三井住友建設では、地球環境の保護や環境負荷の低減など自然との調和に対する活動に継続的に取り組んでいます。これまで"低炭素社会への対応技術""省エネルギー・省資源への対応技術"など多種多様な提案と実積を積んできました。
 地球規模での環境保全の機運が高まるなか、2001年に"グリーン購入法"が制定され、国や地方公共団体などが、物品の調達や公共工事発注などに際し、環境負荷が低いことが客観的に認められる品目を優先して選択することが義務付けられています。また、民間企業においても、独自の"グリーン調達基準"を設け、グリーン調達達成状況を環境報告書などで報告する企業が増加しています。
 こうした環境負荷低減のニーズに応えるため、当社では建設廃棄物全体の最終処分量600万トンの約3割も占めている建設汚泥(注2)を大幅に削減できる"気泡ソイルセメント柱列壁工法"の開発を行ってきました。
 これまでは、砂質土地盤を対象とした実証試験を実施し、従来工法と比べて建設汚泥量の削減による環境負荷低減効果やコスト縮減効果等が期待できることを確認しましたが、このたび粘性土地盤を対象とした実証試験を実施し、粘性土地盤においてもこれらの効果が得られることを確認しました。

 注2)建設工事に係る掘削工事から生じる泥状の掘削物および泥水のうち産業廃棄物として取り扱われるもの。


■"気泡ソイルセメント柱列壁工法"の概要
 "気泡ソイルセメント柱列壁工法"は、注入するセメントミルクと発生する泥土量を低減させることのできる気泡を加えながら地盤をオーガーで連続掘削し、その溝内にソイルセメント壁を構築する工法です。
 従来工法では、削孔・攪拌時において地盤の流動性を高めるために多量のセメントミルクを注入していましたが、この工法では、削孔時に注入する気泡のベアリング効果で地盤の流動性を高めることができるため、注入液中の水分量を減らして泥土発生量を削減することが可能となります。
 オーガーの引上げ時には、気泡を消すことでさらに泥土発生量を少なくし、環境負荷を低減するとともに、産廃処分費を大幅に削減することができます。

 ※以下の資料は、添付の関連資料「図−1〜3」を参照
  ・図−1 気泡ソイルセメント柱列壁工法施工要領図
  ・図−2 プレフォーミング気泡
  ・図−3 ベアリング効果概念図


■"気泡ソイルセメント柱列壁工法"の効果
 "気泡ソイルセメント柱列壁工法"を適用して柱列式地中連続壁や遮水壁を造成する場合、従来工法に比べて以下の効果が期待できます。
 (1)環境負荷の低減
   ・従来の柱列式地中連続壁工法と比較して、建設汚泥発生量を大幅に削減できます。
   ・セメントミルクに使用する材料(セメント・水)を50%程度削減できます。
 (2)品質の向上
   ・セメントミルクと地盤との混合撹拌性が向上して流動性が高まるため、従来の柱列式連続壁工法と比較して、均質で遮水性の高いソイルセメント壁が造成できます。
 (3)経済性の向上
   ・従来の柱列式連続壁工法と比較して、セメントミルクの使用材料および泥土発生量の大幅な削減により、材料・排泥処理のコストが縮減できます。


■現場実証試験(粘性土地盤)
 このたび、建築地下施設の土留め工事において粘性土地盤における実証試験を実施した結果、砂質土地盤の実証試験と同様に、従来工法に対して以下の優位性を確認することができました。
 (1)泥土発生量が20%程度減少
 (2)芯材の挿入性が向上
 (3)透水係数が約2オーダー小さくなり、遮水性が向上
 また、粘性土と砂質土が互層となっている地盤では、粘性土の箇所と砂質土の箇所で注入するセメントミルクの配合を変えることにより、合理的に土留め壁を造成できることが実証できました。
 以上より、気泡ソイルセメント柱列壁工法は、砂質土地盤に加えて粘性土地盤においても建設汚泥発生量を削減できたことから、グリーン購入法に基づく公共工事関連の特定調達品目である"泥土低減型ソイルセメント柱列壁工法"に適合できる工法であることが確認できました。さらに、環境保全活動に積極的に取り組む民間企業が独自に設けている"グリーン調達基準"の要件を満たす工法であることを確認しました。

 <写真−1 削孔の状況/写真−2 削孔の状況>
  ※添付の関連資料を参照


■今後の展望
 気泡ソイルセメント柱列壁工法は、柱列式連続壁工事における環境負荷低減および建設コストの縮減が図れる工法です。さらに、実証試験を踏まえ、ソイルセメント壁の遮水性の向上も期待できることが明らかになりました。
 本年2月に"泥土低減型ソイルセメント柱列壁工法"がグリーン購入法に基づく公共工事の特定調達品目に追加されたことにより、今後はこれまで以上に柱列式連続壁工事における環境負荷低減効果が求められるものと想定されます。さらに昨今、環境保全を経営の最重要事項の一つと位置付け、独自の"グリーン調達基準"を設ける民間企業も現れており、省エネ・省資源という新たな視点による取り組みが広がっています。
 こうしたニーズを踏まえ、三井住友建設では今後、道路・地下鉄・処理場や建築構造物などの構築に伴う柱列式地中連続壁工事に加えて、処分場・貯水池・地下ダムの遮水壁工事などを中心にこの工法の普及を目指し、建設工事の環境負荷低減およびコスト縮減に貢献していく方針です。
 さらに、本年4月に施行された"改正・土壌汚染対策法"により、規制対象区域の分類に応じた措置の明確化が図られ、各企業においてはCSRの観点から土壌・地下水汚染対策のための環境リスク管理が不可欠となることから、気泡ソイルセメント壁の高い遮水性を活かし、封じ込めなどの土壌汚染対策工事に対しても積極的に営業展開していく方針です。


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