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東北大など、「小児呼吸器感染症の病因解析・疫学に基づく予防・制御に関する研究」を開始

2012-05-09

研究プロジェクト:「地球規模課題対応国際科学技術協力」
「小児呼吸器感染症の病因解析・疫学に基づく予防・制御に関する研究」の開始



 東北大学大学院医学系研究科とフィリピン熱帯医学研究所はフィリピンのパラワン島とビリラン島において「小児呼吸器感染症の病因解析・疫学に基づく予防・制御に関する研究」を正式に開始することになりました。

 この研究プロジェクトは、独立行政法人科学技術振興機構(JST)と独立行政法人国際協力機構(JICA)が共同で実施している、地球規模課題解決のために日本と開発途上国の研究者が共同で研究を行う研究プログラムとして創設された地球規模課題対応国際科学技術協力の枠組みで行われているものです。東北大学大学院医学系研究科とフィリピン熱帯医学研究所と共同で、フィリピンの小児における重症呼吸器感染症の重症化因子をさまざまな角度から包括的に明らかにすると共に、重症化阻止、特に死亡の軽減につながるような、より有効な診断、治療および予防方法を確立することを目的として、小児呼吸器感染症の病因解析・疫学に基づく予防・制御に関する研究」を行ってきています。

 国連のミレニアム開発目標は世界の乳幼児死亡率を2015年までに1990年の水準の3分の1に減らすことを目標の一つに掲げていますが、その達成が危ぶまれています。今も世界中で900万人近くの乳幼児が死亡していると考えられ、その最も重要な死因は肺炎がであり、フィリピンにおいても同じ状況です。これまでのWHO/UNICEFアプローチは、20年近く前に得られたデータに基づいたもので、病因診断はせず、臨床症状だけから重症度を判定し、重症患者にはなるべく早期に抗菌薬を投与していくということが基本になっており、小児の重症呼吸器感染症の重要な原因であることが明らかになってきているウイルス感染症に対する対策はほとんど行なわれていません。また近年途上国でも急速に増加している薬剤耐性菌への対応もできていないことが指摘されており、小児の重症呼吸器感染症への最新のデータによるエビデンスに基づく包括的な戦略への見直しが強く求められています 

 東北大学大学院医学系研究科はフィリピン熱帯医学研究所と共同で小児肺炎の包括的な研究を2012年度から行っていますが、今回新たにフィリピンのパラワン島とビリラン島に研究基幹病院を設置し、これらの地域でも研究を開始することになりました。これらの研究基幹病院を活用し、コミュニティーにも活動の幅を広げ、小児肺炎に関するより広範な研究を展開していく予定です。
 なお、研究開始にともなう式典を2012年5月4日にはパラワン島で、5月8日はビリラン島で開催することになったので併せてお知らせします。

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