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アステラス製薬など、「セルトリズマブ ペゴル」臨床試験でのQOL解析結果を発表

2012-05-08

2012年日本リウマチ学会総会・学術集会にて抗TNF−α抗体
「セルトリズマブ ペゴル(一般名)」の臨床試験におけるQOLに関する解析結果を発表



 アステラス製薬株式会社(本社:東京都中央区、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)とユーシービージャパン株式会社(本社:東京都千代田区、社長:ジョエル・ピーターソン、以下「ユーシービージャパン」)が共同開発を進める、PEG化(*1)抗TNF−α抗体「セルトリズマブ ペゴル」(一般名、欧米での製品名Cimzia(R))の関節リウマチを対象とした日本国内の臨床試験(J−RAPID試験(*2)およびHIKARI試験(*3))において、セルトリズマブ ペゴル投与により迅速かつ持続的な臨床症状の改善と関節破壊の進展防止効果が得られたことを2011年米国リウマチ学会で報告いたしました。これらの結果を受け、ユーシービージャパンは、日本国内における同剤の製造販売承認申請を2012年1月に行いました。今回は、これら2つの試験について、患者さんの生活の質(QOL)の改善に関する解析結果を2012年4月26日に東京で開催されました日本リウマチ学会総会・学術集会にて発表しましたのでお知らせいたします。

 メトトレキサート(MTX)で効果不十分な日本人関節リウマチ患者を対象としたJ−RAPID試験において、セルトリズマブ ペゴルとMTXの併用投与は、プラセボとMTXの投与に比べ、投与開始1週後から統計学的に有意に疼痛を軽減し、身体機能(HAQ)を改善することが示されました。これらの効果は試験期間である24週間を通して持続しました。また、投与開始12週後および24週後に評価した健康関連QOL(SF−36)においても改善が認められました。同様に、MTX非併用の日本人患者を対象としたHIKARI試験でも、セルトリズマブ ペゴルの投与による速やか、かつ、持続的な疼痛の軽減、身体機能およびQOLの改善が認められました。

 セルトリズマブ ペゴルは、世界初のPEG化抗TNF−α(腫瘍壊死因子α)抗体医薬品です。本剤は、関節リウマチなどの炎症性疾患の発症や悪化に関与するTNF−αに強い親和性を示し、TNF−αの作用を選択的に阻害します。本剤は、ヒト化抗体のFc部分を除いたFab部分(*4)にPEGを結合させることで血中半減期が延長されるため、関節リウマチ治療において2週に1回あるいは月1回の皮下投与で効果を示します。本剤は、既に海外臨床試験においてMTX併用で、導入治療及びその後の維持治療において速やかに症状および徴候が改善し、その後も効果が維持されることが確認されています。また、関節の骨破壊の進行を抑制することも明らかにされています。

 アステラス製薬とユーシービーグループは、2012年1月に抗TNF−α抗体セルトリズマブ ペゴルの日本における共同開発・商業化契約を締結しています。セルトリズマブ ペゴルは、米国ではクローン病関節リウマチの治療薬、欧州やその他の地域においては関節リウマチの治療薬として、「Cimzia(R)」の製品名でユーシービーグループが販売しています。

 *1:抗体をポリエチレングリコール(PEG)で修飾すること
 *2:Japanese RA Prevention of Structural Damage;日本人RA患者を対象とした海外RAPID試験のブリッジング試験。MTX併用
 *3:Phase 3 study to assess efficacy, safety and pharmacokinetics of certolizumab pegol in Rheumatoid Arthritis patients;日本独自の臨床試験。MTX非併用
 *4:抗体はY字に似た構造を持ち、上部のFab(抗原認識部位)と下部Fc(補体結合部位)に分かれている。


関節リウマチについて>
 関節リウマチ(RA)は、進行性の自己免疫疾患で、関節に慢性の炎症を引き起こします。一般的には手足、手首、膝などの小さな関節が障害されますが、全身性の疾患であり、内臓や血管系などに影響を与えることもあります。関節リウマチの患者さんは全世界で500万人、日本では約65万人と推定されています。有病率には性差があり、女性は男性の約3倍と知られています。また、関節リウマチは年齢にかかわらず発症しますが、好発年齢は40−50歳です。


【会社概要】

アステラス製薬株式会社について>
 アステラス製薬株式会社(http://www.astellas.com/jp/corporate/)は、東京に本社を置く、連結従業員数約17,000人の製薬会社です。「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念に掲げ、研究開発型のグローバル製薬企業として積極的に事業展開を図っています。泌尿器疾患、免疫疾患(移植を含む)および感染症、がん、精神・神経疾患、糖尿病合併症および腎疾患の5領域を重点研究領域に掲げ、これらの領域でグローバル・カテゴリー・リーダーの地位を確立したいと考えています。

<UCBについて>
 ユーシービーグループ(http://www.ucb.com)は、ベルギーブリュッセルに本社を置くグローバルバイオファーマ企業です。中枢神経疾患領域、免疫・炎症疾患領域等の重篤な疾患に特化した革新的な医薬品及びバイオテクノロジー製品の研究、開発、販売を行っています。従業員は世界でおよそ8,000名おり、40カ国以上で活動をおこなっています。2011年の売上は32億ユーロです。UCBはユーロネクストに上場しています(シンボル:UCB)
ユーシービージャパン株式会社は、1988年に設立され、アレルギー性疾患治療剤「ジルテック(R)錠」(一般名:セチリジン)などを販売してきました。2010年9月に発売された抗てんかん剤「イーケプラ(R)錠」(一般名:レベチラセタム)を新たな成長の起点とし、中枢神経系(CNS)ならびに免疫炎症領域を中心に治療の難しい患者さんを対象にしたスペシャリティ・バイオファーマとして、日本の医療・健康へ更なる貢献をしてまいります。

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