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豊田通商、カナダの炭層メタンガス開発・生産事業に参画
カナダの炭層メタンガス開発・生産事業に参画
豊田通商株式会社(以下:豊田通商、本社:名古屋市、社長:加留部 淳)は、カナダに設立した100%子会社Toyota Tsusho Wheatland Inc.を通じて、カナダ最大手の天然ガス事業者エンカナ社(Encana Corporation、本社:カルガリー)から、同社がカナダ・アルバータ州に保有する炭層メタンガス(コールベッドメタン、以下:CBM)鉱区の権益32.5%を取得することで合意いたしました。豊田通商は、権益取得対価と今後7年間の開発費の総額で、総事業費として約600百万カナダドル(約500億円)を投じ開発を進めます。
本CBM事業鉱区は、エンカナ社がカナダ・アルバータ州のHorseshoe Canyon(*)、Wheatlandエリア(鉱区面積約48万エーカー)において保有する鉱区であり、2001年より生産を開始し、現在も既存約4,000坑の生産井より約120百万立方フィート/日(LNG換算で約88万トン/年)のガスを生産中です。また同エリアは、1兆立方フィート以上の埋蔵ポテンシャルを有し、CBMとしてはカナダ最大規模の鉱区です。豊田通商は、今後7年間の開発期間で約1,500坑の新規開発井の掘削及び約1,600坑の再仕上げを行い、ピーク時の生産量を日量約140百万立方フィート(LNG換算で約102万トン/年)と見込んでいます。
Horseshoe CanyonにおけるCBM生産は、水を全く副生しないドライタイプである事が大きな特徴であり、環境負荷とコストを低減した開発・生産が可能です。本プロジェクトは、天然ガス開発・生産において豊富な経験と技術を有するエンカナ社との共同事業であることとあわせ、極めてリスクの少ない有望なCBM事業機会と捉えております。
豊田通商は、世界最大のガス市場であり、近い将来の有望なLNG供給源である北米をガスバリューチェーン構築の上で重要地域の一つと位置づけており、今後も在来型・非在来型のガス開発・生産事業への参画を積極的に進めてまいります。
(*)カナダ最大規模のCBM埋蔵地域。原始埋蔵量は84兆立方フィートと推算。
≪炭層メタンガス (CBM) について≫
・石炭の生成過程で発生し、石炭層に貯留された主にメタンから成るガスで、「非在来型」天然ガスに分類されます。
・使用用途は「在来型」天然ガスと同様で、シェールガスと共に、北米・豪州で商業生産が行われています。
・カナダのCBM埋蔵量は数百兆立方フィート規模と推定され、莫大な資源量が存在しており、中でもアルバータ州の炭層には500兆立方フィートの天然ガスが賦存している可能性があると試算されています。
≪エンカナ社の概要≫
会社名:エンカナ(Encana Corporation)
設立:2002年
資本金:2,321百万米ドル
本社所在地:カナダ アルバータ州 カルガリー市
代表者:ランディ・エレスマン(President & CEO)
従業員数:4,169名
≪対象鉱区≫
対象鉱区:カナダ・アルバータ州 Horseshoe Canyon, Wheatlandエリア
鉱区面積:約48万エーカー(大阪府面積と同じ)
ガス埋蔵量:1兆立方フィート以上(左記は確認埋蔵量、LNG換算2,000万トン)
生産状況:2001年 生産開始、現生産量約120百万立方フィート/日
開発本数:今後7年間で約3,100坑掘削
生産期間:30年以上
※参考画像は、添付の関連資料を参照