Article Detail
矢野経済研究所、医療用医薬品の将来予測について調査結果を発表
医療用医薬品の将来予測
〜パテントクリフ時代の製薬企業の経営持続のあり方を探る〜
<調査要綱>
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内製薬市場の調査を実施した。
1.調査期間:2011年1月〜2012年2月
2.調査対象:製薬企業、医薬品卸、医療機関、薬局、行政当局、学識経験者、等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、ならびに文献調査併用
<調査結果サマリー>
◆2019年医療用医薬品生産高は11兆2,888億円(ケースII)と予測
ケースIは、医療制度改革が医薬品需要に多大な影響を及ぼすことを想定して算出した。その結果、2012年が8兆7,909億円、2015年が9兆571億円、2019年が9兆3,771億円と予測する。
ケースIIは、医薬品需要と企業努力の底堅さと緩やかに推移する医療制度改革を加味して算出した。その結果、2012年が9兆73億円、2015年が9兆9,363億円、2019年が11兆2,888億円と予測する。
◆先行き不透明感が強まる製薬市場
2010年に試行的に導入された新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度(※注)は、今回も試行期間の延長ということになってしまった。2年後の2014年に検証を行うこととされたが、その結果で状況が大きく変わることになる。だが、今いえることはこの制度を導入したことで、これまでわが国の大きな特徴であった長期収載品という存在が段階的にではあるが消失していくことである。
今後、わが国でも分子標的薬のように原価が高く、薬価も高額になることが予想される新薬が上市されることになる。しかもそのような新薬の多くは、抗がん剤など多くの患者が使用を切望している領域の新薬として上市され、当該製薬企業は安定的な利益を長期に渡って確保するため、新薬創出加算制度品目に該当させる動きをすると考える。
<資料発刊>
資料名:「2012年版 製薬市場の10年展望」
http://www.yano.co.jp/market_reports/C54102500
※YRIマーケットNow!に掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
*以下、リリースの詳細は添付の関連資料を参照