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富士キメラ総研、データセンタビジネス市場に関する調査結果を発表

2012-04-09

データセンタビジネスの調査を実施

―2016年予測―
◆データセンタサービス国内市場        1兆5,769億円(11年比25.1%増)

◇注目◇
  震災を契機としたサービス需要拡大規模   425億円(11年比4.6倍)
 <2011〜12年に顧客が増加し、13年以降その顧客の利用拡大を見込む>
  クラウド型ホスティングサービス 605億円(11年比6.7倍)
 <サービス価格の安さと従量課金の料金体系でユーザー獲得進む>


 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 田中 一志 03−3664−5839)は、顧客のサーバを預かり、インターネットへの接続回線や保守・運用サービスなどを提供するデータセンタビジネスについて2011年11月から2012年2月にかけて調査した。その結果を報告書「データセンタビジネス市場調査総覧 2012年版(上巻・下巻)」にまとめた。
 この報告書では、上巻でデータセンタサービスや関連機器の市場動向に加え、東日本大震災が与えた影響、データセンタの老朽化問題、海外のデータセンタ市場などを調査・分析し、下巻で主要事業者の取組み状況と、エンドユーザーのデータセンタ利用動向をまとめている。


<調査結果の概要>
1.データセンタの動向
 TCO※削減、クラウドコンピューティングビジネスの拡大などから大企業を中心に需要拡大が続いているが、東日本大震災以降、企業における事業継続計画(以降:BCP)やディザスタリカバリー(以降:DR)対策として、データセンタに対する需要が更に高まっている。国内の主要企業が関東圏に集中していることから、データセンタも関東圏に集中しているが、BCPやDR対策の一環で新たなバックアップサイトとして関西など異なる電力管区のデータセンタの需要も高まり、データセンタ事業者も、建設の早期化や建設地を首都圏から関西など他の地域へと見直す動きが見られている。
 関東圏では、2012年4月からの電気料金値上げによって、サービス価格の値上げも想定されるが、データセンタの老朽化、新築データセンタの高密度化による高集積サーバへの対応、首都圏におけるデータセンタ新設数の急増によるデータセンタの供給過多などにより価格競争の激化が懸念されている。

※コンピュータシステム導入・維持・管理にかかる総費用


2.データセンタサービス市場

  2011年   :1兆2,609億円
  2016年予測:1兆5,769億円
  2011年比  :125.1%

 2011年の市場は前年比4.9%増の1兆2,609億円となり、2016年には2011年比25.1%増の1兆5,769億円と予測される。データセンタの主なサービスとして、サーバや通信機器などをユーザーが持ち込む「ハウジングサービス」と、サーバや通信機器などまで提供する「ホスティングサービス」が挙げられる。
 2011年は、社内サーバをデータセンタに移設する案件が多く、ハウジングサービスを中心に拡大した。中長期的には、運用負荷の軽減などを目的にユーザー側でIT機器を保有しないホスティングサービスが拡大すると見られ、特にクラウド型のホスティングサービスの拡大が予測される。

<注目市場:クラウド型ホスティングサービス>
  2011年   :90億円
  2016年予測:605億円
  2011年比 :672.2%

 クラウド型ホスティングサービスは、複数のサーバを仮想化し共有するホスティングサービスである。使用した分だけ料金が発生する従量課金のため、コストの最適化が図りやすい。サーバ稼働のピークとアベレージの差が激しい企業や、アクセス数が読みづらいゲームなどのコンテンツを提供するインターネットサービス事業者などで導入が進んでいる。サービス単価が従来のホスティングサービスと比較すると安いことからユーザーの獲得が進んでおり、市場は2016年には2011年比6.7倍の605億円になると予測される。


3.東日本大震災におけるデータセンタビジネスへの影響

■震災を契機としたデータセンタサービスの需要拡大規模

 2011年   :92億円
 構成比    :0.7%
 2016年予測:425億円
 構成比    :2.8%

注:構成比はデータセンタサービス市場に占める震災を契機とする需要拡大分
 震災を契機に需要が増加したデータセンタサービスとして、サーバのデータセンタへの移設と、ホスティングを活用したバックアップサービスの利用が挙げられる。震災直後に計画停電が実施されたことから、特に中小企業を中心に社内サーバを非常用電源が整備されたデータセンタへ移設する案件が増加した。単価が安価な案件が多く、金額ベースでの市場への寄与は大きくないものの、従来データセンタを利用していなかったユーザーを取り込めたという点では、顧客層の拡大という大きな成果があったといえる。
 2012年は震災以降BCPやDR対策を検討してきた中〜大規模企業の本格的な移設による市場拡大が見込まれる。2013年以降は、2011〜12年に獲得したユーザーの利用サービス拡大などにより、継続的に市場は拡大すると予測される。

■データセンタ利用動向の変化
 データセンタに関するWebアンケートを927社に対して行った結果、606社がデータセンタ利用済み及び使用予定があると回答した。その606社に対して、震災がデータセンタの利用状況にどの様な影響を与えたかを質問した結果、「利用拡大を検討後、実施もしくは実施予定」と回答した企業が全体の35%、「利用拡大を検討後、実施見送り」が11%、「利用拡大等の検討を行っていない」が52%であった。
 地域別には震災や計画停電を経験した東京、その他関東は「利用拡大を検討後、実施もしくは実施予定」の割合が高く、大阪、その他関西、その他地域は「利用拡大等の検討を行っていない」の割合が高いという結果になった。

 *「震災による外部データセンタ利用について」のグラフは添付の関連資料「グラフ1」を参照


4.電力容量別ラック稼働状況

 *表1は添付の関連資料を参照

 サーバルーム3.5m2あたりの電力容量ごとにサーバを設置するラックを高・中・低密度に分類した。2011年時点で稼働しているラックは低密度ラックが74.2%を占めている。
 仮想化に伴うサーバ統合やサーバ集約を進める企業の増加を背景に、データセンタの高密度化が進んでいる。2012〜13年に新設されるデータセンタにおいても中・高密度対応が多い。その一方で、2000年より前に造られた古いデータセンタは低密度対応が多く、今後は中密度や高密度対応のデータセンタへシステムの移行が進み、低密度ラックの稼動数は減少していくと見込まれる。
 現時点で高密度ラックが必要とされるシステムは金融機関や大規模企業の基幹システム、インターネットシステム、ホスティングサービス事業者のサービス基盤などに限られる。しかし、高価格である高密度ラックの価格低下が進んでおり、中密度ラックの利用を検討している企業の需要も高密度対応のデータセンタが引き込んでいくと見られる。


5.海外のデータセンタ動向

 2011年世界市場:11兆6,000億円

 2011年のデータセンタサービス世界市場は11.6兆円となった。日本は全体の11%に留まっている。
エリア別には、米国が市場の38%を占めている。2000年頃からデータセンタ建設ラッシュがあり、Googleなどのクラウド事業者が牽引し市場が拡大している。
 欧州は、市場の15%を占めている。イギリス、フランス、ドイツにデータセンタが集中しており、その中でもイギリスが最も大きな規模を有している。東京同様にデータセンタの老朽化や電源容量の問題が表面化しており、データセンタのリノベーションが課題となっている。近年ではエネルギー効率の良い寒冷地でデータセンタを建設する事業者も増加しており、デンマークやアイルランドでも建設されている。
 中国では、多くの企業が自前のセンタでシステム構築しているケースが多く、データセンタ事業者のサービスを利用しているユーザーは多くない。そのため、市場の1%となっている。しかし近年では中国政府主導でクラウド事業者に対する大規模な投資を実施している他、潜在性の高さから中国のデータセンタ事業者と提携しクラウドビジネスを展開する外資系ベンダの参入も増加している。


<調査対象>
 *添付の関連資料を参照

<調査方法>
 富士キメラ総研専門調査員による参入企業・関連団体などへの直接面接取材を基本とし、関連文献、社内データベースも活用。データセンタ利用動向については企業に対してWebによるアンケート調査を実施。

<調査期間>
 2011年12月〜2012年2月


以上

 資料タイトル:「データセンタビジネス市場調査総覧 2012年版(上・下巻)」
 体   裁  :A4判 上巻251頁、下巻251頁
 価   格  :各97,000円(税込み101,850円)
          CD−ROM付価格 各107,000円(税込み112,350円)
 調査・編集 :富士キメラ総研 研究開発本部 第二研究開発部門
         TEL:03−3664−5841  FAX:03−3661−7696
 発 行 所 :株式会社 富士キメラ総研
         〒103−0001東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 F・Kビル
         TEL03−3664−5839(代) FAX 03−3661−1414  e−mail:info@fcr.co.jp
 この情報はホームページでもご覧いただけます。
 URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/  http://www.fcr.co.jp/

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