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武田薬品、腎性貧血治療薬「OMONTYS」の米国における販売許可を取得

2012-03-30

腎性貧血治療薬OMONTYS(R)の米国における販売許可取得について



 Affymax, Inc.(本社:Palo Alto、米国カリフォルニア州、以下「Affymax社」)と武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)は、2012年3月27日(米国時間)、腎性貧血治療薬OMONTYS(R)(一般名:peginesatide)について、透析期患者(成人)を対象とした腎性貧血効能で、米国食品医薬品局(FDA)より販売許可を取得しましたのでお知らせします。

 OMONTYSはPEG化した合成ペプチドであり、透析期患者を対象としたESA製剤(※)として、米国において初めて使用可能となる1ヶ月製剤です。
 ※Erythropoiesis Stimulating Agent:赤血球造血刺激因子製剤

 今回の販売許可取得は、約1,600名の透析期患者を対象に有効性と安全性を評価した2本の無作為化・非盲検臨床第3相試験(EMERALD1、2)の結果に基づいています。通知書において、FDAからは、市販後に、透析期患者(成人)における心血管系安全性と長期安全性の評価を目的とした観察研究(2018年の最終報告書提出によって完了)および無作為化試験(2019年の最終報告書提出によって完了)、さらに複数の小児臨床試験(2016年〜2027年に終了予定)の実施が要請されています。また、リスク評価・軽減対策(Risk Evaluation and Mitigation Strategy)の一環として、保存期患者への効能は有さないことを通知するレターが、腎疾患関連の医療機関向けに送付される予定です。

 Affymax社のCEOであるJohn Orwinは、「20年以上にわたって、透析期患者さんの貧血治療には、特定のESA製剤が主に使用されてきました。OMONTYSの承認により、透析中の成人慢性腎疾患患者さんに起こりやすい合併症の一つである貧血治療のために、患者さんや医療関係者の皆さんに1ヶ月製剤という新たな選択肢をお届けしてまいります」と述べています。

 武田薬品の100%子会社である武田グローバル研究開発センター株式会社の社長 Azmi Nabulsiは、「当社とAffymax社では、貧血症状に苦しむ透析期患者さんに新たな治療オプションをお届けすることを目指してきましたので、今回の販売許可取得は、両社の提携においても極めて重要なマイルストンです。OMONTYSと同様、当社では、医療ニーズにお応えする医薬品の開発に取り組んでまいります」と述べています。

 Satellite Healthcare, Inc.のChief Medical OfficerであるBrigitte Schillerは、「透析期患者さんにとって、貧血は対処しなければならない難しい合併症です。透析期患者さんを治療する医師として、新たな治療選択肢ができたことを嬉しく思います」と述べています。


以上


<EMERALD試験を含む臨床第3相試験について>
 EMERALD試験は、慢性腎疾患に伴う貧血患者を対象に、ESA製剤として初めて心血管系リスクの評価を予め組み入れ、対照薬との直接比較により有効性と安全性を評価した臨床第3相試験(対象患者数2,606名)の一部です。心血管系安全性は、第三者で構成される有害事象検討委員会によって判定された心血管イベントに関する複合エンドポイントに基づき評価されています。EMERALD試験では、対照薬(epoetin alfaまたはepoetin beta)を投与中の透析期患者が、OMONTYS投与群または対照薬継続投与群に無作為割付され、OMONTYSは4週間に1回、対照薬は添付文書に基づき1週間に1〜3回投与されました。主要評価項目はベースラインと評価期間(投与開始後29〜36週目)の間のHb値の平均変化量です。EMERALD試験で報告された主な有害事象は、息切れ、下痢、悪心、咳、動静脈瘻です。なお、保存期患者を対象に実施したPEARL試験では、特定の心血管イベントの発現率が高いことが確認されています。


<OMONTYSについて>
 本薬はAffymax社によって創製され、Affymax社と武田薬品が共同開発中の腎性貧血治療薬であり、米国において承認取得後はコ・プロモーションを行います。本年2月には、武田薬品の100%子会社である武田グローバル研究開発センター(欧州)株式会社が欧州医薬品庁(EMA)に販売許可申請を提出し、当該申請が受理された旨が公表されています。既存薬は、1週間に最大3回投与する遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤である一方、OMONTYSは、初めてのPEG化された合成ペプチド製剤のため、ヒトエリスロポエチンに対して配列相同性がない、すなわちアミノ酸の配列が異なります。


<慢性腎疾患に伴う貧血について>
 腎臓から赤血球産生を促進するホルモンであるエリスロポエチンが十分に産生されなくなるため、血液中の赤血球量が少なくなる貧血症状は、慢性腎疾患において一般的に見られる合併症です。また、貧血は、心血管系の疾患や死亡リスクとの関連性が示唆されています。米国腎臓データシステム(United States Renal Data System)によると、2009年時点で、米国での透析期患者数は約40万人とされています。また、メディケア/メディケイドサービスセンターによると、米国における透析期患者の約95%がESA製剤の投与を受けています。

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