ＩＲジャパン、耐圧６００Ｖの３相ゲート駆動ＩＣ「ＩＲＳ２３３４ＳＰｂＦ」などのサンプル出荷開始

インターナショナル・レクティファイアー
高効率のインバータ制御モーター向けゲート駆動ＩＣをサンプル出荷開始
〜耐圧６００Ｖ、省エネ家電や工業機器向け〜



　パワー・マネジメント（電源管理）技術で世界をリードするインターナショナル・レクティファイアー・ジャパン（ＩＲジャパン）株式会社（本社：東京都豊島区）は２１日、耐圧６００Ｖの３相ゲート駆動ＩＣ「ＩＲＳ２３３４ＳＰｂＦとＩＲＳ２３３４ＭＰｂＦ」のサンプル出荷を開始しました。省エネ家電製品や工業機器で使うインバータ（＊１）制御のモーター駆動用途に最適です。

　ＩＲＳ２３３４ＳＰｂＦのパッケージはＳＯＩＣ２０ＷＢ（ワイドボディの２０ピンＳＯＰ）で、ＩＲＳ２３３４ＭＰｂＦは、実装面積が２５ｍｍ２（５ｍｍ×５ｍｍ）と小さい２８端子ＭＬＰＱを採用し、最大電圧６００Ｖまで丈夫で信頼性の高い設計を可能とする適切な沿面距離と空間距離で設計されています。
　効率５０％未満の標準的なオン／オフ駆動と比べて、インバータ制御のモーター駆動は、効率を８０％以上にできます。ＩＲＳ２３３４ＳＰｂＦとＩＲＳ２３３４ＭＰｂＦは、エネルギ効率の高いインバータ制御の電動工具、冷蔵庫のコンプレッサ、電気制御のファンなどの用途で使え、小型化のソリューションや簡単な実装に貢献し、最も小さな形状を実現できます。

　ＩＲＳ２３３４ｘシリーズは、厳しいスイッチング条件や短絡の下でも、安全な動作のために独自の負のスパイク電圧に対する耐性などの包括的な保護機能を備えています。出力駆動回路には、駆動回路間の相互導電を最小化するように設計された大きなパルス電流を扱えるバッファ段も備えています。伝播遅延時間は高周波での使用を単純化するために整合されています。ハイサイド（＊２）駆動回路は、フローティング・チャネル（駆動回路の基準電位がシリコン基板の電位に対して浮いた状態）で、ｎチャネル・パワーＭＯＳＦＥＴまたはＩＧＢＴ（絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ）の駆動に使用することができます。ハイサイド駆動回路に加えられるオフセット電圧は最大６００Ｖです。

　ＩＲＳ２３３４ｘシリーズは、ＩＲ社の先進的な高耐圧ＩＣ（ＨＶＩＣ）技術を使って製造され、優れた電気的オーバーストレス保護やフィールド信頼性をより高めるために、次世代の高耐圧レベルシフト機能や絶縁技術を採用しています。ＵＶＬＯ（低電圧ロックアウト）保護を備え、デッドタイム保護や貫通（シュートスルー）保護を集積しています。このほか、先進的な入力フィルタや、雑音耐性を改善するためにｄｉ／ｄｔをより低くしたゲート駆動回路などを搭載しています。出力は入力と同相で、入力は３．３Ｖの論理と互換性があります。出力電流は吐き出し時が２００ｍＡ、吸い込み時が３５０ｍＡ（いずれも標準値）。オン時／オフ時の伝播遅延時間はいずれも標準５３０ｎｓ。デッドタイムは標準２９０ｎｓ。接合部温度は最大１５０℃。動作温度範囲は−４０℃〜１２５℃（周囲温度）です。

　ＩＲＳ２３３４ＳＰｂＦの１万個購入時の単価は１．９５米ドルからの予定です（米国での参考価格）。欧州の規制ＲｏＨＳ（特定物質の使用規制）に準拠しています。データシートと画像データはＩＲジャパンのホームページ（http://www.irf-japan.com）から入手できます


＜用語説明＞
　＊１）インバータ：直流を交流に変換する回路です。逆変換という意味です。交流を直流に変換する回路はコンバータと言います。
　＊２）ハイサイド：大電力スイッチング回路の出力に同極性のパワーＭＯＳＦＥＴ（通常はｎチャネル）を直列に接続して（トーテムポール出力）、ハーフブリッジ回路を構成した場合、上側のＭＯＳＦＥＴをハイサイドＭＯＳＦＥＴ（電流を供給する役割）、下側のＭＯＳＦＥＴをローサイドＭＯＳＦＥＴ（電流を吸い込む役割）と呼びます。ハイサイドＭＯＳＦＥＴを駆動する回路がハイサイド駆動回路です。ハイサイドＭＯＳＦＥＴとローサイドＭＯＳＦＥＴが同時にオンすると大きな貫通（シュートスルー）電流が流れてＭＯＳＦＥＴを破壊させることがあるので、これを防止するためにスイッチング時にＭＯＳＦＥＴが両方ともオフする時間（デッドタイム）を挿入して保護しなければなりません。


＜インターナショナル・レクティファイアー（ＩＲ（Ｒ））社について＞
　ＩＲ社はパワー・マネジメント（電源管理）技術のリーダーです。ＩＲ社のアナログＩＣ、アナログ／デジタル混在ＩＣ、最先端デバイス、電源のシステムや部品は、コンピュータの性能向上や、世界で最も電力消費の大きいモーターの省エネに貢献しています。コンピュータ、省エネ家電、照明器具、自動車、衛星・航空・防衛システムなどの主な製造企業は、次期製品の性能向上のためにＩＲ社のパワー・マネジメント・ソリューションに頼っています。本社は米国カリフォルニア州エルセグンド。ホームページはhttp://www.irf.comです。


＜商標に関する注意＞
　ＩＲ（Ｒ）はＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ　Ｒｅｃｔｉｆｉｅｒ　Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎの登録商標です。当資料に記載されるその他の製品名の商標はそれぞれの所有者に帰属します。


※製品画像は、添付の関連資料を参照