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ルネサスエレクトロニクス、ハイエンド機器向けSoC「R−Home S1」を発売

2012-03-23

ハイエンドのハイブリッドSTB向けに高性能・小型のシステムLSI「R−Home S1」を発売
デジタルテレビジョン放送とインターネット配信に対応し、欧州と中国市場を中心に積極拡販〜



 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)はこのたび、ワールドワイドのデジタルテレビジョン放送とインターネットによるコンテンツ配信を同時にサポート可能なハイブリッドセットトップボックス(以下、STB)のハイエンド機器向けSoC(System on Chip:システムLSI)として、「R−Home S1」を製品化し、2012年5月よりサンプル出荷を開始いたします。


※製品画像は、添付の関連資料を参照


 新製品は、(1)デュアルコアの「ARM(R) Cortex(TM)−A9 MPCore(TM)」搭載により、ハイブリッドSTB向けシステムLSIでは、業界最高水準のCPU性能である5000DMIPS(注1)を実現、当社従来品の約8倍に高性能化すると共に、直感的な操作が可能な高品位なGUI(Graphical User Interface)(注2)を実現するために3Dグラフィックスエンジンを新規搭載。このため高機能Webブラウザなど様々な高負荷アプリケーションを高速に処理可能、(2)録画用、モバイル端末向け配信用にHD(High Definition)解像度対応の映像フォーマット変換器(トランスコーダ)を搭載、(3)ハイエンドのハイブリッドSTB向けシステムLSIでは、業界最小クラスとなる27mm×27mmの小型パッケージ、および低消費電力を実現、(4)最新のセキュリティ仕様を実装した不正受信防止機能を内蔵、などの特長を有しております。このため、高性能で使い勝手の良い次世代STBシステムの開発期間短縮や小型化に貢献します。また、エンドユーザは、より便利、快適にAVコンテンツを楽しむことが可能になります。

 なお新製品は、既存製品との継承性を考慮したシステム開発サポートツール(SDK)を提供することにより、既存の製品からのスムーズな移行を支援し、ユーザの開発負担の最小化に貢献します。
 新製品の量産は2012年12月から開始し、2013年6月には月産100万個を計画しております。


<背景>
 当社はシステムLSI事業において、デジタル放送受信に使用されるSTB用システムLSIを戦略製品のひとつと位置づけ、積極的に事業を推進しており、その出荷数量は2011年2月に累計1億個を達成いたしました。
 一方、近年、全世界で通信・放送・インターネットを融合したサービスが拡大中であり、これらのサービスに対応可能なハイブリッドSTBへのニーズが高まりつつあります。また、STBで受信した放送コンテンツをスマートフォンなどのモバイル端末に配信するというようなニーズも出始めています。
 新製品は、このような要望にこたえるべく、これまで培ってきたTV/STB製品での放送/セキュリティ技術、BD/DVD製品での録画技術、携帯製品での低消費電力技術を生かすと共に、2010年4月の経営統合をうけ新構築した「新統合SoCプラットフォーム」(モバイル、車載情報システム、ホームマルチメディアの3分野において重要になるコアテクノロジを集結した設計プラットフォーム)を活用してARMのデュアルCPUコア、3Dグラフィックスエンジンの採用のほか、HDトランスコーダを搭載し、当社従来のSTB製品から大幅な性能向上を図った「R−Home S1」を今回製品化しました。


<特長>
 ハイエンドのハイブリッドSTB向けシステムLSI「R−Home S1」は、映像や音声のデジタル信号のデコード(伸張)機能など、デジタル放送やインターネット放送受信に必要な機能を1チップ上に集積したシステムLSIで、主な特長は以下の通りです。

(1)STB用途で業界最高水準のCPU性能と3Dグラフィックス処理を実現
 新製品は、デュアルコアの「ARM Cortex−A9 MPCore」搭載により、STB向けシステムLSIでは業界最高水準の5000DMIPS(1GHz時)を実現しています。当社従来品に比べ約8倍の高性能化により、高負荷アプリケーションなど、あらゆるニーズに対応可能です。
 さらに、3DグラフィックスコアとしてImagination Technologies Limitedの「PowerVR(TM) SGX531」を新採用し、実写のようなリアルな3D画像の表示や、直観的な操作が可能な3D GUI表示が可能です。

(2)映像フォーマット変更が可能なMPEGエンコーダを搭載
 新製品は、HD(1280×720ピクセル、30fs)までに対応したMPEGエンコーダを搭載しており、入力映像をMPEG2、MPEG4、H.263のフォーマットに変換可能です。これにより、VideoPhoneアプリケーションやモバイル端末へのコンテンツ配信機能への対応が可能になります。

(3)業界最小クラスの小型パッケージ、および低消費電力を実現
 ハイブリッド向けSTB用半導体として、40nmプロセスの採用や端子数の最適化を実施するなどにより、業界最小クラスとなる27mm×27mmの小型パッケージを実現しています。またデュアルコア等の採用により高性能ながら低消費電力を実現しており、高性能ハイブリッドSTBの小型化や基板コスト、システムコストの低減と低消費電力化が実現可能です。

(4)最新のセキュリティ仕様に対応し、不正受信防止機能を内蔵
 著作権保護の重要性を認識し、有料放送の不正受信防止機能として、世界の主要なセキュリティベンダの最新仕様に対応しています。新製品を採用することで有料放送業者は高度なセキュリティレベルを持つSTBの開発が容易化できます。

 この他、新製品では、1G/100MHz EtherMAC、PCI Express(R)、SDIOインタフェースなどを搭載しており、高速インターネット対応や外付けデバイスによるWi−Fi(R)対応が容易です。
 新製品のサンプル価格は3,000円/個となっております。

 なお「R−Home S1」は、当社の統合SoCプラットフォームによるホームマルチメディア向けシリーズである「R−Home」シリーズの第一弾製品であり、今後も第2世代品をリリースし、市場ニーズに即し、最適化した製品をタイムリーに市場投入していきます。

 ルネサスは、新製品をワールドワイドで積極的に拡販活動を進める予定であり、特に欧州衛星市場、中国ケーブル市場で、ハイブリッド STBの需要拡大が見込まれているため、これらの市場に向けて、新製品の販売を推進いたします。

 新製品の主な仕様は、別紙をご参照下さい。

 ※別紙は、添付の関連資料を参照

 なおルネサスは、本年3月20日から22日まで、イギリス・ロンドンで開催されるIP放送系の展示会IP&TV World Forumと、本年3月21日から23日まで、中国・北京で開催される中国最大の放送機器関係の展示会「中国国際放送情報ネットワーク博覧会(CCBN:China Cable Broadcasting Network)2012」に出展し、新製品の展示を行います。


以 上


(注1)
 DMIPS:Dhrystone MIPS(Million Instructions Per Second)とは、コンピュータの演算性能を評価するプログラムDhrystoneによる性能測定値のこと。

(注2)
 GUI(Graphical User Interface)は、情報がグラフィックスで表示され、直感的に操作することができるユーザインタフェース


*ARMはARM社の登録商標です。CortexおよびMPCoreはARM社の商標です。その他のブランドあるいは製品名は全て、それぞれのホールダーの所有物です。
 PowerVR、SGXはImagination Technologies Limitedの登録商標または商標です。PCI ExpressはPCI−SIGの登録商標です。Wi−Fi、Wi−Fi AllianceはWi−Fi Allianceの登録商標です。
 その他、本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。

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