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東京商工リサーチ、岩手・宮城・福島3県の企業業績調査結果を発表
東北・被災3県震災に負けず増収企業1万1,059社
〜 8月期以降は4割が増収〜
東日本大震災から1年。被害が甚大だった岩手、宮城、福島の3県だが、38.3%の企業が逆境に負けずに売上を伸ばしていることがわかった。
2011年3月から10月までに決算期を迎えた全国の企業66万5,245社のうち、増収企業は27万3,406社(構成比41.1%)だった。被災3県では震災の爪あとが深く、対象企業2万8,847社のうち増収企業は1万1,059社(同38.3%)と構成比は全国を2.8ポイント下回った。しかし、4月期以降は3県の増収企業の構成比が伸び続け、8月期以降は4割超の企業が増収をたどっている。
また、売上高の伸長率は、8月期以降は全国平均を上回り、復興へ向けた動きが被災地企業の業績を押し上げている。
【調査対象】
1.本調査は、東京商工リサーチ(TSR)の企業データベース(242万社)から決算期が2011年3月〜10月の企業を抽出。前期との2期業績比較が可能な企業を対象に分析した。
2.東北の被災3県(岩手県、宮城県、福島県)のうち、津波で直接被災した地域を沿岸部(3県、38市区町村)、津波で直接被災しなかった地域を内陸部(3県、93市区町村)と区分した。
<ダイジェスト>
◆東北の被災3県(岩手、宮城、福島)で、2011年3月〜10月に決算期を迎えた企業は2万8,847社。うち、増収企業は1万1,059社(増収企業率38.3%)だった。
◆1万1,059社の県別内訳は、福島県4,248社(構成比38.4%)、宮城県4,239社(同38.3%)、岩手県2,572社(同23.2%)。
◆1万1,059社のうち、内陸部が8,068社(構成比72.9%)、沿岸部が2,991社(同27.0%)。
◆3県の増収企業率は38.3%。福島県(44.0%)が全国平均(41.1%)を2.9ポイント上回った。
◆3県の売上高伸長率は10.2%増。岩手県(13.6%増)が全国平均(12.8%増)を上回った。
◆売上高伸長率は、8月期以降で被災3県が内陸部、沿岸部ともに全国平均を上回った。
◆売上高規模別での売上高伸長率は、「売上高1千万円未満」が25.2%でトップ。「100億円以上」では6.2%にとどまり、小・零細企業の伸長率の高さが目立った。
◆産業別では建設業が増収企業率(48.7%)、売上高伸長率(24.0%増)ともにトップ。6月期以降、建設業で増収企業が減収企業を上回った。
〔東北3県 県別増収企業/東北3県 内陸・沿岸別増収企業〕
※グラフ資料は添付の関連資料「添付資料」を参照
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