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ATR、8×8非線形マルチユーザMIMO実験用無線機の実験試験局免許を取得

2012-02-29

8×8非線形マルチユーザMIMO実験用無線機の実験試験局免許を取得
〜将来の移動通信への活用にむけて実験開始〜



【要約】
 株式会社国際電気通信基礎技術研究所(代表取締役社長:平田 康夫、以下 ATR)は、総務省受託研究「非線形マルチユーザMIMO技術の研究開発」において、実時間で動作する8×8非線形マルチユーザMIMO(multiple−input multiple−output)伝送技術を実装した実験用無線機を試作し、実験試験局免許を取得しましたので発表します。今回の成果は、8本のアンテナを持つ基地局(BS)1台と2本のアンテナを持つユーザ端末局(UE)4台からなる8×8 MIMO構成において、「ブロック対角化ベクターパータベーション(BD−VP)」と呼ばれる非線形送信信号処理技術を実現したことで、本技術を下りリンク(BSからUEへの送信)に適用する8×8マルチユーザMIMO実験用無線機としては世界初です。今後、けいはんな地区を始めとして東京、大阪、川崎等で本実験機を用いた実験評価を進めるとともに、高性能化のための検討を行う予定です。なお、本研究は総務省の研究委託「非線形マルチユーザMIMO技術の研究開発」により実施したものです。


【発表・成果内容】
 今回の成果は、第4世代移動通信において普及展開が期待されるマルチユーザMIMO技術の高度化に関するものです。技術のポイントは3点あります。1点目は、見通し伝搬路で隣接したユーザが存在するなど、従来の線形演算による送信信号処理技術では十分にユーザを分離できない場合でも、良好な特性が得られる非線形信号処理技術を適用した実験機であること、2点目は上りリンク(UEからBSへ送信)よりも高い伝送速度が求められる下りリンク(BSからUEへの送信)で実現したこと、3点目は4台のUE信号を一度に処理する8×8マルチユーザMIMO構成で実現したこと、です(図1)。
 試作したBS及びUEはそれぞれ、FPGA/DSPボードで構成されるデジタルベースバンド装置、高周波無線装置、アンテナ、操作端末から構成されます(図2)。搬送波周波数は、第4世代移動通信の技術動向を踏まえて、下りリンクを3.36GHz、上りリンクを3.26GHzとしました。
 実験機開発においては、移動通信の最新仕様である3GPP Release 10の信号フォーマットに準じることを前提として、BD−VPを使った装置の詳細設計を実施しました。特性改善のために与える補償信号の探索範囲を調整するとともに、性能を損なわない範囲で処理の一部を周波数軸上で間引くことで処理量を削減しました。これらの工夫により、世界で初めて実時間で動作する非線形マルチユーザMIMO実験機を実現しました。なお今回の実験システムは8×8 MIMOを構成するBS1台、UE4台の他、干渉局となるBS及びUE実験機をそれぞれ1台ずつ用意し、実環境により近い環境で実験検証を行います。


 ※以下の資料は添付の関連資料を参照
 ・図1:実験用無線機のアーキテクチャ
 ・図2:実験用無線機の写真
 ・【補足資料】
 ・<用語解説>

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