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IDC Japan、2011年の国内クライアントPC市場実績値を発表
2011年国内クライアントPC市場実績値を発表
・2011年の国内クライアントPC出荷台数は1,525万台、2年連続で1,500万台を超える
・家庭市場 出荷台数は、前年比4.1%増、ビジネス市場は、10.4%減
・2011年 第4四半期の国内クライアントPC出荷台数は、379万台、前年同期比3.1%減
・家庭市場 出荷台数は、前年同期比3.5%増、ビジネス市場は、9.4%減
IT専門調査会社IDC Japan株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1−13−5、代表取締役:竹内正人)は、日本国内における2011年第4四半期と2011年のクライアントPC市場出荷実績値について発表しました。これによると、2011年第4四半期(10月〜12月)の国内クライアントPC出荷台数は、前年同期比3.1%減の379万台となり、その結果、2011年の国内クライアントPCの出荷台数は、1,525万台と2年連続で1,500万台を上回りました。
2011年のPC出荷台数は、前年比3.6%減の1,525万台(※)、その内訳は家庭市場が772万台、ビジネス市場が754万台となりました。家庭市場では、上位機種となるプレミアモデルに値ごろ感が出たことで市場が刺激され、前年比4.1%増、ビジネス市場は、東日本大震災、欧米経済の先行き不透明感などにより、前年比10.4%減のマイナス成長となりました。
ベンダー別動向を見ると、シェア1位だったNECと6位のレノボが2011年7月にNEC レノボ・ジャパン グループを発足させ、第3四半期以降2位を大きく引き離すことになりました。しかしIDCの定義では、発足までをNECとレノボ、発足後は、NEC レノボ・ジャパン グループと区分するため、2011年のベンダー別シェアでは富士通が1位、NEC レノボ・ジャパン グループが2位(7月〜12月の出荷分)、3位 東芝、4位 デル、5位 HPとなり、3位から5位の順位は2010年から変動はありませんでした。
2011年第4四半期のPC出荷台数は、前年同期比3.1%減の379万台(※)、家庭市場 同比3.5%増の198万台、ビジネス市場 同比9.4%減の182万台となりました。家庭市場は、タイの洪水によるHDD不足の懸念が心配されましたが、東芝、デル、HPが出荷を伸ばしプラス成長になりました。一方ビジネス市場では、2010年の第4四半期にWindows XPの駆け込み需要があったため、その反動によりマイナス成長となりました。しかしこの要因を除いて見ると、企業の買い替えが順調に進んでいることがうかがえます。
〔※端数処理(四捨五入)のため総数と内訳の計は一致しません〕
<2011年第4四半期のベンダー・ハイライト>
ベンダーシェアでは、デルが、HPを抜き4位になりました。それ以外の順位の変動は、上位5社の中ではありませんでした。
NEC レノボ グループの出荷台数は、前期(2011年7月〜9月)の105万台から91万台、シェアも3.1ポイント減り、24.1%になりました。タイの洪水によるHDDの不足がNECブランドのPCの出荷に影響したと考えられます。
富士通も、NEC レノボ グループと同様マイナス成長になりました。ビジネス市場では、大企業向けポータブルPCの出荷が好調であったものの、デスクトップPCの出荷が振るわず、前年同期比4.2%減となりました。家庭市場では、タイの洪水によるHDDの不足が影響したと考えられます。
東芝は、前年同期比4.3%増となり、上位5社の中で唯一、4期連続のプラス成長を維持しました。ビジネス市場では大企業向け出荷が堅調に推移し、家庭市場では、デスクトップPCの出荷増が寄与して、共にプラス成長となりました。
デルが、前年同期比で出荷台数がプライス成長となったのは、2008年第2四半期(4月〜6月)以来のことになります。特に家庭市場は、プロモーションなどが功を奏し、2桁の成長を遂げました。
HPは前期の4位から1つ順位を下げ5位になりました。家庭市場では、プラス成長を維持したもののビジネス市場で大きく落ち込み、マイナス成長になりました。2010年4四半期にWindows XPの特需を取り込んだ反動が、今期に成長率に影響を与えたと考えられます。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション グループマネジャーの片山 雅弘は「危惧されていたHDD不足による影響は、2011年第4四半期の結果を見ると、限定的であった。さらにUltrabook、Windows 8といった市場を刺激する材料にも恵まれ、2012年は再びプラス成長にもどるであろう」と分析しています。
今回の発表は速報値であり、将来変更となる可能性があります。IDCが発行する「Japan PC 2012−2016 Forecast and 4Q11 Vendor Shares:Quarterly Model Analysis」(J12141301)にその詳細が報告され、2011年第4四半期の国内PC市場実績と2012年から2016年までの市場予測が掲載されます。
本調査は、IDCが実施したPCベンダー調査、ユーザー調査、販売チャネル調査などをもとに、独自の分析を行い算出したものです。ここでいう国内のクライアントPC市場には、デスクトップPC、ポータブルPCが含まれています(x86サーバーは含まれていません)。IDCではより正確な情報を提供するため、過去の実績を含むデータの見直しを随時行っております。そのため、本発表で用いられる数値はIDCが過去に発表したものと異なることがあります。
【詳細についてはIDC Japanへお問い合わせ下さい】
<参考資料>(*添付の関連資料を参照)
・図1.2005年〜2011年 国内PC市場出荷台数/対前年成長率:家庭/ビジネス別
・図2.2011年第4四半期 国内クライアントPC出荷台数トップ5ベンダーシェア、対前年成長率(実績値)
・表1.2011年 国内PC市場ベンダー別出荷台数
〔IDC社 概要〕
International Data Corporation(IDC)は、ITおよび通信分野に関する調査・分析、アドバイザリーサービス、イベントを提供するグローバル企業です。47年にわたり、IDCは、世界中の企業経営者、IT専門家、機関投資家に、テクノロジー導入や経営戦略策定などの意思決定を行う上で不可欠な、客観的な情報やコンサルティングを提供してきました。
現在、110か国以上を対象として、1,000人を超えるアナリストが、世界規模、地域別、国別での市場動向の調査・分析および市場予測を行っています。
IDCは世界をリードするテクノロジーメディア(出版)、調査会社、イベントを擁するIDG(インターナショナル・データ・グループ)の系列会社です。
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