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帝人、富士クリーンが過酸化水素添加多段式オゾン処理技術「HiPOx」を採用
帝人グループの水処理ビジネスが前進!
「HiPOx(R)」が国内で初めて採用されました
帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:大八木 成男)が水処理ビジネスの一環として展開している過酸化水素添加多段式オゾン処理技術「HiPOx」(*)が、このたび、1,4−ジオキサン処理用として、四国・中国地方を中心に産業廃棄物処理事業を展開する株式会社富士クリーン(本社:香川県綾歌郡、社長:馬場 一雄)に採用されました。日本国内では初めての採用となります。
水溶性の有機溶媒である1,4−ジオキサンは、多くの有機物質を溶解可能という特性から幅広い用途に使用されていますが、その一方で、「国際がん研究機関」によりクラス2B(人に対する発がん性を有する可能性がある物質)の指定を受けており、さらに2009年からは「健康保護に係る水質環境基準」および「地下水環境基準」の管理対象として追加され、基準値が0.05mg/Lとなっています。また、1,4−ジオキサンは、生物学的にも化学的にも分解しにくく、生物処理においては特殊な分解菌が必要となることから、極めて処理が難しい物質の1つとされており、近い将来、排出規制の導入が検討されています。
これに対し、「HiPOx」は、社内装置を用いた1,4−ジオキサンの除去実験において、その処理過程において有害な副生成物が発生することなく、適切かつ確実に処理できることが確認されています。
このたび採用された企業では、最終処分場の浸出水を浸出水処理施設で処理した後、中間処理施設の冷却水として再利用するクローズドシステムを構築していますが、既存の浸出水処理施設では微量の1,4−ジオキサンを処理することができないことから、昨今の排出規制導入の動きに合わせ、さらなる安全性向上のために「HiPOx」の導入を決定しました。これにより、1,4−ジオキサンを放流することができる基準値0.05mg/L以下まで処理を行い、再利用することにより、さらに環境に配慮したクローズドシステムを構築することができます。
当社は、シンガポール共和国公益事業庁(PUB)との共同開発により、既に残留医薬品や環境ホルモンなどの難分解性物質を「HiPOx」によって大幅に減少可能であることを確認しています。今後も1,4−ジオキサンをはじめとする様々な難分解性物質に対して、広く国内外に「HiPOx」を展開し、排水浄化に寄与していきます。
*過酸化水素添加多段式オゾン処理技術(HiPOx)
米APTwater社が開発した、オゾンと過酸化水素を用いた促進酸化処理により、難分解有機化合物などの有害・汚濁物質を分解する技術。オゾン注入量の低減や、反応副生成物の抑制などを特徴とする。