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アンリツ、シグナリングテスタMD8475Aにスマートフォン・携帯端末検証の機能を追加
シグナリングテスタMD8475A機能追加
HSPA Evolution/DC−HSDPAスマートフォン・携帯端末の検証を実現
アンリツ株式会社(社長 橋本 裕一)は、シグナリングテスタMD8475Aの機能を追加。HSPA Evolution[※1]方式およびDC−HSDPA[※2]方式に対応したスマートフォン・携帯端末の検証を可能とするHSPA EvolutionシグナリングユニットMD8475A−011、HSPA Evolution/DC−HSDPAオプションMX847510A−011、 HSPA Evolution/DC−HSDPAオプションMX847570A−011を開発。2月15日から販売いたします。
MD8475Aは、本体に各種移動通信方式に対応したハードウェア、ソフトウェアを搭載することにより、基地局シミュレータ(疑似基地局)として動作します。
今回開発したMD8475A−011およびMX847510A−011は、MD8475AでHSPA EvolutionとDC−HSDPAの基地局動作をシミュレーションし、接続検証環境を構築できるオプションです。MX847570A−011はMD8475AのGUI[※3]インタフェースを制御し、HSPA Evolution/DC−HSDPAスマートフォン・携帯端末の試験条件を簡易に設定できるオプションです。
MD8475Aに、MD8475A−011、MX847510A−011、MX847570A−011を搭載することで、HSPA Evolution/ DC−HSDPAスマートフォン・携帯端末の通信機能試験、サービス検証を実施できます。
また、HSPA Evolution/DC−HSDPAスマートフォン・携帯端末は、W−CDMA[※4]/HSPAやGSM[※5]など3G/2G基地局エリアでも通信できるマルチモードとなっています。MD8475Aはこれら各種移動通信方式に対応しており、1台の基地局シミュレータでマルチモード対応のHSPA Evolution/ DC−HSDPAスマートフォン・携帯端末を評価できます。
MD8475Aは、LTEスマートフォン・携帯端末の検証用計測器として世界各国の通信事業者、メーカーで利用されています。さらに今回、MD8475AでLTE[※6]と並ぶ高速移動通信方式として期待されているHSPA Evolution/DC−HSDPAに対応したことで、モバイルブロードバンドサービスの普及に貢献いたします。
なお、本製品は、2012年2月27日より開催されるMobile World Congress 2012(スペイン・バルセロナ)にてデモンストレーションを予定しています。
[開発の背景]
HSPA Evolution は、最大21Mbps[※7]、DC−HSDPAは42Mbpsという高速通信を実現する移動通信システムです。欧州や北米など世界各国の通信事業者が既にサービスを開始しており、今後もLTEサービスと平行してグローバルでの普及が期待されています。
携帯端末の開発では、基地局シミュレータを用いて疑似ネットワークを構築し、通信機能を評価します。
HSPA Evolution/ DC−HSDPAは、2G/3G基地局エリアでも通信できるマルチモード端末として開発されていることから、既存システムにも対応した基地局シミュレータが必要です。
そこでアンリツは、LTE、W−CDMA/HSPA、CDMA2000[※8]、TD−SCDMA[※9]、GSMなど各種移動通信方式対応基地局シミュレータとして提供しているシグナリングテスタMD8475Aの機能を追加。新たに、HSPA Evolution/DC−HSDPAに対応しました。これにより、1台のMD8475Aで、マルチモード対応HSPA Evolution/DC−HSDPAスマートフォン・携帯端末の通信機能試験、サービス検証を実施できます。
[製品概要]
HSPA EvolutionシグナリングユニットMD8475A−011、HSPA Evolution/DC−HSDPAオプションMX847510A−011、 HSPA Evolution/DC−HSDPAオプションMX847570A−011は、シグナリングテスタMD8475A用のオプションです。
MD8475Aに、今回開発したMD8475A−011、MX847510A−011、MX847570A−011を搭載することで、HSPA Evolution/ DC−HSDPAの疑似基地局として動作し、HSPA Evolution/ DC−HSDPA対応スマートフォン・携帯端末の通信機能試験、サービス検証を実施できます。
さらに、すでに提供しているMD8475Aは、W−CDMA/HSPA、CDMA2000、TD−SCDMA、GSMなど各種移動通信方式に対応したハードウェア・ソフトウェアを併せて搭載することにより、1台のMD8475Aで、マルチモード対応のHSPA Evolution/ DC−HSDPAスマートフォン・携帯端末を評価できます。
【シグナリングテスタMD8475A】
MD8475Aは、本体と各種通信方式に対応したハードウェア、ソフトウェアから構成され、複数の通信システムを1台のシグナリングテスタで試験できます。用途に応じて試験環境を構築でき、設備コストを最適化できます。通信条件及び動作条件をGUI上の操作で設定可能であり、複雑なシーケンスプログラム[※10]を作成することなく試験が行えます。また、OSにWindow7を採用したPCを内蔵しています。これにより、外部サーバや制御用PCが不要となり、省スペースかつパーソナルな環境で検証作業を行えます。
*Windows は、Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
[対象市場・用途]
■対象市場:スマートフォン・携帯端末メーカー、チップセットメーカー、通信事業者
■用途:マルチモードHSPA Evolution対応スマートフォン・携帯端末・チップセットの評価および通信事業者の受け入れ試験
[営業情報]
■販売開始日: 平成24年2月15日
■予定販売台数:120セット(国内/海外計 初年度1年間)
■販売価格:HSPA EvolutionシグナリングユニットMD8475A−011 200万円
HSPA Evolution/DC−HSDPAオプションMX847510A−011 200万円
HSPA Evolution/DC−HSDPAオプションMX847570A−011 100万円
<測定システム構成価格例>
HSPA Evolution/W−CDMA試験構成:1533万円
LTE/HSPA Evolution/W−CDMA/GSM試験構成:2996万円
[用語解説]
[※1] HSPA Evolution:High Speed Packet Access Evolution
第3.5世代HSPA方式携帯電話システムの拡張規格。HSPAは、下り(基地局から端末)方向を高速化したHSDPA規格と上り(端末から基地局)方向を高速化したHSUPA規格の総称である。HSPA Evolutionは、HSPAをさらに高速化し、下り最大21Mbps、上り最大11Mbpsでのデータ通信を可能とする。
[※2] DC−HSDPA:Dual Cell High Speed Downlink Packet Access
HSPA Evolution方式を高度化、高速化した移動通信方式。HSPA方式の2倍となる下り最大42Mbpsでのデータ通信を可能とする。
[※3] GUI:Graphical User Interface
ユーザに対する情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作をマウスなどのポインティングデバイスによって行うことができるユーザインターフェースのこと。
[※4] W−CDMA:Wide Band Code Division Multiple Access
第3世代携帯電話システムの一つ。日本、欧州などで普及している。
[※5] GSM:Global System for Mobile Communications
世界的に最も普及している第2世代携帯電話システムの一つ。
[※6] LTE:Long Term Evolution
下り(基地局から端末方向)100Mbps以上/上り(端末から基地局方向)50Mbps以上の通信を可能とする高速移動体通信システム。
[※7] Mbps:Mega bits per second
通信速度の単位。1Mbpsは、1秒間に100万ビットのデータを伝送できる。
[※8] CDMA2000:Code Division Multiple Access 2000
第3世代携帯電話システムの一つ。主にアメリカ、アジアで普及している。
[※9] TD−SCDMA:Time Division Synchronous Code Division Multiple Access
中国が推進している第3世代携帯電話システム。
[※10] シーケンスプログラム
基地局のレイヤ3(データ転送処理)レベルでの動作や通信の条件を定義したC言語プログラム。
お客様からのお問合せ先
アンリツ株式会社
計測サポートセンター
TEL.0120(827)221
E−mail:MDVPOST@anritsu.com