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富士経済、調味料・調味食品など73品目の市場調査結果を発表
調味料・調味食品など73品目の市場を分析
−2011年の加工食品市場調査(4)−
−2011年見込−
◆浅漬けの素 56億円(前年比9.8%増)〜若年層の需要開拓に成功〜
◆ジュレタイプ調味料 21億円 〜ジュレぽん酢で市場拡大、次のジュレ化に期待〜
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界 03−3664−5811)は、2011年8月から29カテゴリー400品目の加工食品の国内市場について、6回に分けて調査を行っている。その第4回目の調査結果を報告書「2012年 食品マーケティング便覧 No.4」にまとめた。
この報告書では、調味料49品目、調味食品24品目の2カテゴリー73品目の国内市場動向を調査分析した。なお、残り11カテゴリー141品目の調査結果については、今後順次報告する。
<注目市場>
1.ジュレタイプ調味料(市販用)
2010年 2011年見込
僅少 21億円
【ジュレぽん酢で市場拡大、次のジュレ化に期待】
ジュレタイプ調味料は、しょうゆやぽん酢などの液体調味料をジュレ(ゼリー)状にした調味料を指す。量販店やCVS惣菜でジュレタイプ調味料を使用したパスタサラダなどがメニュー化されており、ジュレタイプ調味料の市場は以前から存在していた(業務用のため本調査対象外)。
食べるラー油などの食感系調味料のヒットを受けて、2011年にハウス食品、ヤマサ醤油、ミツカンなどの大手メーカーがジュレタイプのぽん酢を展開し、TVCMなどで積極的な宣伝活動を行った結果、目新しさも手伝い市場は大きく拡大した。
中小メーカーは、ぽん酢だけでなく酢やしょうゆ、つゆの素などのジュレ化に取り組み始めており、今後一層の市場拡大が期待される。しかし、まだ消費者にとって馴染みのないカテゴリーであるため、トライアルユーザーをロイヤルユーザーに育てるためのメニュー提案を継続的に行っていく必要がある。
2.具入りラー油(市販用)
2010年 前年比 2011年見込 前年比
77億円 2,566.7% 60億円 77.9%
【食べるラー油ブームは沈静化、後発メーカー撤退相次ぐ】
2009年秋に桃屋が"おかず"というコンセプトで具入りラー油を発売しブームの口火を切り(2009年市場規模:3億円)、2010年にはエスビー食品が新商品を投入し"食べるラー油"が一大ブームとなった。2社の具入りラー油は欠品や品薄が続くほどの需要が発生したが、多くの企業が参入しその穴を埋めたこともあって市場は大きく拡大した。
2011年で既にブームが落ち着いており、市場は縮小が見込まれる。先発メーカー2社の供給も安定し、後発メーカーの撤退が相次いでいる。エスビー食品と桃屋の売上はブームが沈静化してからも安定しており、今後も2社が市場を牽引していくと予測される。
3.浅漬けの素(市販用)
2010年 前年比 2011年見込 前年比
51億円 110.9% 56億円 109.8%
【若年層の需要開拓に成功し、二桁増】
1993年にエバラ食品工業から発売され一気に市場が拡大し、以降多少の増減を繰り返しながら安定的に推移してきた。2010年にエバラ食品工業が商品リニューアルと共に販促を強化し、子どもに野菜を食べさせる調理法として浅漬けの提案を開始した。主な購入層は40代以上の主婦であるが、リニューアル後の販促により、若年層の子持ち主婦の需要開拓を成功させたことから、2010年、2011年と2年連続二桁近い拡大が見込まれる。
4.メニュー専用合せ調味食品
※表1は添付の関連資料を参照
【和風、洋風、韓国、メニュー多様化で需要獲得】
メニュー専用合せ調味食品は、メニューに合わせて既に調味料を混ぜ合わせてある調味食品で、具材を加え調理することで完成する商品を指す。
簡便性が高く本格的な料理が作れることや、野菜を手軽に食べられると消費者から支持されている。また、クロスマーチャンダイジングを展開しやすいため注力するメーカーが多く市場は拡大を続けている。2011年は震災により消費者の節約志向がさらに高まり家庭で食事をする回数が増加しており、市場拡大が見込まれる。
メニューは麻婆豆腐をはじめとする中華メニューが70%近くを占めているが、近年では和風、洋風、韓国メニューなど多様化している。構成比も和風・洋風・韓国メニューが大きく伸びてきており、2011年には全体の20%を占めると見られる。韓流ブームやK−POPブームなどで韓国料理への関心が高まっており、特に韓国メニュー専用合せ調味食品市場が大きく拡大している。
5.鍋つゆ
2010年 前年比 2011年見込 前年比
279億円 103.0% 285億円 102.2%
【2010年、2011年ヒット商品不在も市場は堅調】
2000年頃はキムチ鍋がブームとなり、2008年以降もカレー鍋、コラーゲン鍋、トマト鍋、チーズ鍋など洋風鍋つゆのヒット商品が続き、市場は二桁以上もしくはそれに近い市場拡大を果たしてきた。2010年に続き、2011年もカレー鍋やトマト鍋に匹敵するヒット商品はなかったものの、定番の和風鍋つゆに加えて新商品の投入も引き続き行われたことから、市場拡大が見込まれる。
鍋料理は調理が簡単なため冬場のメニューとして人気が高く、且つメーカー側も新商品投入を行い市場活性化策も継続すると見られるため、今後も安定的な需要が見込まれる。市場としては以前のような二桁近い拡大は難しいが、今後も小幅ながら拡大が続くと予測される。
<調査結果の概要>
※表2は添付の関連資料を参照
◆調味料
しょうゆや味噌などの基礎調味料はPB商品の台頭や加工度の高い調味料への需要シフトなどから、市場が縮小している品目が多い。しかし、「マイルドさ」や「まろやかさ」などを訴求したぽん酢商品の定着など、調味料市場全体としては、新しい用途や価値を訴求する商品を投入し需要の裾野を広げることで、多少の増減を繰り返しほぼ横ばいで推移している。
近年、新しい切り口の調味料としてブームとなっているのが、ジュレタイプ調味料や具入りラー油である。どちらの品目も一過性のブームに終わるか、どの程度市場に定着するかが注目され、浅漬けの素のようにニッチながらも安定した市場へと変わることが期待される。
◆調味食品
カレー・シチューなどのレトルト製品、インスタント製品は、2010年に猛暑などから需要が減退し市場が縮小したものの、2011年は震災直後の備蓄需要や内食回帰が追い風となり、市場拡大が見込まれる。この他、調理の簡便性が高い品目が支持されており、ふりかけや、ゆでたパスタに和えるだけのパスタソースなどが好調に推移している。メニュー専用合せ調味食品は、2011年は震災による消費者の節約志向の高まりとメニューの多様化などにより、引き続き需要を獲得し市場が拡大すると見込まれる。
<調査対象>
※添付の関連資料を参照
<調査方法>
富士経済専門調査員による対象企業及び関連企業・団体等への直接面接取材と文献調査
<調査期間>
2011年10月〜12月
以上
資料タイトル:「2012年 食品マーケティング便覧 No.4」
体 裁 :A4判 279頁
価 格 :95,000円(税込み99,750円)
調査・編集 :富士経済 東京マーケティング本部 第一事業部
TEL:03−3664−5821 FAX:03−3661−9514
発 行 所 :株式会社 富士経済
〒103−0001東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 F・Kビル
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e−mail:info@fuji-keizai.co.jp
※目次は添付の関連資料を参照
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