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大日本印刷、電子雑誌などの制作・配信用ソフトでアドビと利用包括契約を締結
電子雑誌・電子カタログの制作配信サービスに関して
ソフトウェアの利用包括契約をアドビシステムズ社と締結
大日本印刷株式会社(本社:東京都 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、電子雑誌・電子カタログなどの制作・配信用ソフトウェア「Adobe(R) Digital Publishing Suite(*)」(以下:ADPS)について、アドビ システムズ社と利用包括契約を締結しました。
ADPSは、電子雑誌・電子カタログなどのコンテンツ制作や、スマートフォンなどで利用するアプリへの展開から配信・効果測定までを可能にするソフトウェアです。DNPは今回の契約により、ADPSを利用した電子雑誌や電子カタログの印刷版と電子版の同時進行や、音声・動画などのリッチコンテンツの組み込みなどのサービスを提供していきます。
【背景】
近年のスマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、電子雑誌・電子カタログの制作のニーズが高まっています。この制作には、紙の雑誌やカタログ用に作成したDTP(Desktop publishing)データを活用することが効率的です。現在、DTPデータ制作では、アドビ システムズ社の「Adobe InDesign(R) CS5/CS5.5」(以下:InDesign)の使用が主流となっており、ADPSはInDesignで制作したDTPデータから直接電子雑誌・電子カタログを制作できるため、紙と電子の同時進行が可能となります。しかし、ADPSで制作した電子雑誌・電子カタログを配信するためには、出版社などがアドビ システムズ社と個別に契約する必要がありました。
DNPは2010年に、業界に先駆けてADPSを使った電子雑誌の制作を本格的にスタートし、2011年からはADPSで制作した電子雑誌を配信しています。今回、DNPがADPSの利用包括契約を締結することで、出版社などがアドビ システムズ社と個別契約することなく、かつ画面のカスタマイズや効果測定機能などADPSの多様な機能を使って、電子雑誌・電子カタログの制作配信を行うことが可能となりました。
【ADPSを利用した電子雑誌・電子カタログの制作配信サービスの概要】
DNPは、このサービスで、雑誌、絵本、図鑑、教材などの出版物のほか、カタログ、販促物などの商業印刷物にも対応します。音声や動画などのリッチコンテンツを組み込んだ電子雑誌・電子カタログを紙版と同時に制作できるだけでなく、今回の契約により、出版社の個別契約の負荷を軽減し、以下の機能にも対応します。
アドビ社のサーバーを利用したAppStoreやAndroidマーケットでの電子雑誌・電子カタログの配信・決済機能
顧客が希望する書棚のオリジナルデザインが可能な書棚画面のカスタマイズ機能
電子雑誌・電子カタログのダウンロード数や記事単位での閲覧状況、ページの滞在時間などを詳細にまとめた、効果測定機能
また、企業内で利用する販売・販促マニュアルなどの業務ツールについても、リッチコンテンツ化を図るとともに、社員に発行するユーザーIDによって閲覧者を限定した業務ツールの利用も可能となります。
【今後の展開】
DNPは、当サービスを、出版社やカタログを発行するメーカーなどに積極的に販売し、2014年度までに10億円の売り上げを目指します。また、ADPSをはじめとする電子出版のリッチコンテンツ化を実現する各種制作ツールに対応した制作体制を強化するため、人材育成にも取り組むとともに、DNPグループの電子書籍販売サイト「honto」で、ADPSなどで制作した、リッチコンテンツを含む電子雑誌の配信も検討していきます。
*Adobe(R) Digital Publishing Suiteは、アドビ システムズ社のDTPならびにデザインのための統合ソフトウェアAdobe Creative Suite(R) 5およびその構成製品であり、紙面編集をおこなうAdobe InDesign(R) CS5/CS5.5の電子書籍制作ソリューションです。電子書籍のほか、電子雑誌・電子カタログの制作も可能です。