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川崎重工、9000TEU型コンテナ船を開発しノルウェー船級協会から設計基本承認を取得

2012-01-21

大型LNG燃料コンテナ船を開発



 川崎重工は、液化天然ガス(LNG)を燃料とする9,000TEU型コンテナ船の開発を完了し、ノルウェー船級協会(DNV)から設計基本承認(AiP:Approval in Principle)を取得しました。


 LNG燃料は、地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)や酸性雨等の原因である窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)の排出量を大幅に削減する効果があり、大型貨物船の燃料として一般的に使用されている重油に代わる次世代クリーン燃料としての期待が高まっています。


 今回開発したLNG燃料コンテナ船は、北米や欧州で適用されるNOxやSOxの排出規制区域(ECA)内だけでなく、太平洋往復横断も可能な航続距離を達成する容量を有したLNG燃料タンクを装備しています。
 また、バックアップ燃料として重油も利用できるように二元燃料推進システムを採用しています。


 本船の主な特長は次のとおりです。

(1)居住区域と機関区域を分離配置したコンセプトを取り入れ、必要十分なコンテナ積載スペースを確保しています。また、居住区域下部にLNG燃料タンクと重油燃料タンクを配置することにより貨物スペースへの影響を最小限としています。

(2)LNG燃料タンクは容積効率の良い独立方形タンク(IMO Type−B)を新たに開発しました。当社独自技術である川崎パネルシステムをタンク防熱に採用し、LNG燃料の自然蒸発を最小限に抑えています。

(3)燃焼効率に優れ、二元燃料に対応した低速ディーゼル機関(電子制御式)を採用し、船型最適化などにより環境負荷を低減しています。


 IMO(国際海事機関)が施行するNOxおよびSOxの排出量規制は段階的に規制レベルが厳しくなっており、今後はCO2の排出量規制も新たに加わることが決まっています。LNG燃料コンテナ船は、従来型の重油燃料コンテナ船と比べてCO2排出量で約30%の削減が可能で、さらにNOx排出量を約80%、SOx排出量をほぼ100%削減可能であり、IMOが施行予定のSOx規制(2015年)、NOxの3次規制(2016年)にも対応しています。

 DNVは、LNG燃料船技術のパイオニアとして欧州で先行する技術の知見を有し、ノルウェーにおけるLNG燃料船事業に貢献しています。当社は今回、DNVからLNG燃料コンテナ船の全体システムならびにLNG燃料タンク両方の設計基本承認を取得し、引き続きDNVと協力して本船の総合的な安全性評価を実施する予定です。

 当社は、これまでLNG運搬船の開発・建造で培ってきた技術を活用して、LNG燃料の海上補給を担う供給船の開発にも取り組み、新しい価値を創造していきます。今後も、今回の開発で得られた技術をコンテナ船以外の船種に適用し、引き続き環境にやさしい船舶を開発・建造していきます。


□9,000TEU型LNG燃料コンテナ船の主要目
全長      :約308m
幅       :48.4m
喫水      :14.5m
LNG燃料タンク:約7,000m3


以上


 ※参考画像などは添付の関連資料を参照

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