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東京商工リサーチ、上場企業「役員報酬1億円開示企業」の調査結果を発表

2012-01-18

上場企業「役員報酬1億円開示企業」調査
(2011年1月〜12月有価証券報告書提出)
〜役員報酬1億円以上226社・364人〜


 2011年1月〜12月に財務局に有価証券報告書を提出した上場企業は3,619社だった。1億円以上の役員報酬を開示したのは226社(構成比6.2%)で、開示人数は364人だった。(ヤフーの井上雅博氏はソフトバンクと重複しており、2人にカウント)。
 個別開示された364人のうち、273人(同75.0%)は提出企業からの報酬だけだった。
 364人の役員報酬総額合計は607億200万円で、主な内訳は基本報酬が373億400万円(同61.5%) 、賞与が84億3,100万円(同13.9%)、退職慰労金(引当金繰入額含む)が76億800万円(同12.5%)、ストックオプション43億5,800万円(同7.2%)、業績連動報酬・中期インセンティブほか30億100万円(同4.9%)。役員報酬のうち、基本報酬部分は6割にとどまり、企業により賞与や退職慰労金、ストックオプション、業績連動報酬など、役員報酬が多様化していることがわかった。
 開示人数の最多は2010年12月、東証1部に新規上場した大塚ホールディングスの8人。2人以上の複数役員が報酬1億円以上だったのは81社(構成比35.8%)あった。2010年と比較できる3月から9月期決算では、社数で4社、人数で5人増加している。

 役員報酬の個人最高額は、日産のカルロスゴーン代表取締役会長兼社長の9億8,200万円。また、カルロスゴーン氏を含め、外国人役員は26人が対象になり、報酬額合計は61億1,000万円だった。日本人の個人最高額は、大東建託・多田勝美元会長の8億2,300万円。
 産業別では、製造業が107社(構成比47.3%)・186人(同51.1%)と圧倒的に多かった。
 次いで、サービス業他が59社(同26.1%)・95人(同26.1%)、卸売業が19社(同8.4%)・33人(同9.0%)の順。一方、農・林・漁・鉱業では、役員報酬の個別開示はなかった。


※本調査は、2010年10月期から2011年9月期決算の全上場企業を対象に、有価証券報告書で役員報酬1億円以上の個別開示を行った企業を調査。なお、有価証券報告書提出時に上場企業だったが、その後、上場廃止になった場合は提出時点の上場区分に基づく。

※金融庁は、2010年3月31日に施行した「企業内容等の開示に関する内閣府令の改正」で、上場企業の2010年3月期決算から取締役(社外取締役を除く)、監査役(社外監査役を除く)など、役職別及び報酬等の種類別の総額に加え、提出企業と連結子会社の役員としての連結報酬1億円以上を受けた役員情報を有価証券報告書に記載することを義務付けた。今回の内閣府令改正にあたっては、上場企業の「コーポレート・ガバナンス」(企業統治)に関する開示内容の充実を図ることを目的にしている。


<法人別開示人数大塚ホールディングスが8人で最多>
 2011年1月〜12月に有価証券報告書で役員報酬を開示した企業(2010年10月期〜2011年9月期決算)のうち、役員報酬1億円以上の開示人数の最多は大塚ホールディングスの8人だった。
 次いで、日産自動車の7人、ソニー、ファナック、トヨタ自動車の各6人、三菱商事、ソフトバンク、三井物産、野村ホールディングス、日本板硝子の各5人と続く。
 個別開示人数別では、1人の企業が145社(構成比64.1%)と最も多く、2人が56社(同24.7%)、3人が11社(同4.8%)と続く。

 ※表・グラフは添付の関連資料「参考画像1」を参照


<個人別役員報酬日産・カルロスゴーン氏が9億8,200万円で最高>
 2011年1月〜12月に役員報酬を開示した226社のなかで、役員報酬の最高額は日産自動車のカルロスゴーン氏の9億8,200万円(報酬支払元:提出企業のみ)だった。次いで、ソニーのハワード・ストリンガー氏の8億8,200万円(同:提出企業及び連結企業)、大東建託の多田勝美氏8億2,300万円(同:提出企業のみ)、タカタの高田重一郎氏の6億9,500万円(同:提出企業のみ)、エース交易の榊原秀雄氏の6億1,800万円(同:提出企業のみ)と続く。
 個別開示の364人のうち、役員報酬額が9億円台は1人(構成比0.3%)、8億円台は2人(同0.5%)、5〜7億円台が4人(同1.1%)、2〜4億円台が52人(同14.3%)、1億円台が305人(同83.8%)。5億円以上は7人に過ぎず、1億円台は8割超を占めた。
 個別開示された364人の役員報酬合計は607億200万円だった。役員報酬の主な内訳は、基本報酬が373億400万円(構成比61.5%) 、賞与が84億3,100万円(同13.9%)、退職慰労金(引当金繰入額含む)が76億800万円(同12.5%)、ストックオプション43億5,800万円(同7.2%)、業績連動報酬12億4,900万円(同2.0%)、中期インセンティブ7億500万円(1.1%)、積立型退任時報酬ほか10億4,700万円(同1.8%)。
 役員任期中の安定報酬を中心にした基本報酬が主流だが、業績反映型や創業経営者への高額の退職慰労金など、各企業の経営スタイルを映し出した結果になっている。
 上位50社(報酬開示50人)の役員報酬合計は175億700万円で、全体金額の28.8%を占めた。主な報酬内訳は、基本報酬87億2,300万円(構成比49.8%)、退職慰労金(引当金繰入額含む)41億5,500万円(同23.7%)、賞与18億1,700万円(同10.4%)、ストックオプション16億1,000万円(同9.2%)、業績連動報酬ほか12億200万円(同6.9%)。
 上位50社は、基本報酬が全体より11.7ポイントダウンし、退職慰労金(引当金繰入額含む)の比率が11.2ポイントアップした。創業経営者への長年の功績に対し、退職慰労金という形で役員報酬が支払われていることがわかった。


 役員報酬の開示は、株主招集通知に役員報酬1億円以上の個別開示や米国会計基準に準じて上位5人(1億円未満含む)を開示するなど、役員報酬の透明性に一定の効果がみられた。
 また、変則決算企業(12カ月決算以外)や金融などを除く、個別開示を行った187社では、83社(構成比44.3%)が売上高、営業利益、経常利益、当期利益がそろって前期を上回っていた。
 徐々に日本でも業績連動型の役員報酬が浸透し始めていることも見てとれた。
 役員報酬の開示が浸透するにつれて、企業の経営方針や業績、配当など、様々な視点からステークホルダーや株主、取引先、従業員などに役員報酬額の妥当性が判断される。それだけに経営者は、関係先への説明責任や役員報酬の透明性をこれまで以上に求められることになる。


※以下、詳細資料は添付の関連資料を参照

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