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三菱電機、高品位溶接ができるファインプロセスコントロール電子ビーム加工機を発売
自動車部品に最適な高品位溶接を実現
三菱電機ファインプロセスコントロール電子ビーム加工機 発売のお知らせ
三菱電機株式会社は、電子ビームの波形を制御することで、車載用電子デバイス部品・モーターなど自動車部品に最適な高品位溶接ができる「ファインプロセスコントロール電子ビーム加工機(FPC-EBM)」を2012年1月18日に発売します。
本製品は、「第4回国際カーエレクトロニクス技術展」(2012年1月18日〜20日 於:東京ビッグサイト)にパネル出展します。
*製品画像は添付の関連資料を参照
<新製品の特長>
1.電子ビームの波形を制御することで高品位溶接を実現
・電子ビーム出力波形制御により、固体レーザー溶接※1と比べて狭い溶け込み幅で溶接できることから溶接ひずみを低減
・ビーム出力の立ち上がり・立ち下がり時間を最適化し、微小粒(スパッタ)の飛散を抑えることで、高品質な溶接を実現
※1:光を出す媒体が固体であるレーザー発振器を用いて行う溶接
2.小型・高精度化製品の溶接と生産性向上を実現
・ビーム出力を細かく制御して局所加熱することで、溶接部周辺への熱ダメージを低減し、小型・高精度化製品の溶接も実現
・局所加熱が可能なため周囲の溶け過ぎが起こりにくく、銅やアルミなどでも均一な溶接が可能
・ギアや回転軸などの低ひずみがより強く要求される溶接では、ひずみ取り工程の削減に貢献
3.低ランニングコストを実現
・固体レーザー溶接に比べ、冷却水循環装置が不要であるため、消費電力量を30%削減※2
・レーザー光源や光学部品のような消耗部品がなく、メンテナンスコストを25%削減※3
※2:1時間当たりの電気代20円、加工ガス1L当たり0.5円の条件で当社固体レーザーと比較した場合
※3:出力1kWで年間1万時間稼働において当社固体レーザーと比較した場合
<発売の概要>
製品名 : FPC-EBM
型 式 : EBM-P-1LB
標準価格(税抜き): 4800万円
発売日 : 2012年1月18日
販売目標 : 2012年度10台
<発売の狙い>
近年、地球温暖化対策の一環として、低炭素社会の実現に向けた取り組みが加速しており、自動車業界においては、環境対策車のキーパーツとなるカーエレクトロニクス部品や二次電池の製造に非常に高度な技術が要求されています。一方、溶接工程は銅やアルミニウムなどの難溶接材料を対象とすることが多く、また、加工対象物の小型・軽量化、集積化が進むにつれて、従来の固体レーザー・抵抗溶接※4やTIG溶接※5では熱影響およびスパッタの低減などが困難であるため、溶接品質および生産性の向上が課題となっています。
当社は今回、これらの課題を解決するため、低熱影響・スパッタ低減・高生産性を実現できるファインプロセスコントロール電子ビーム加工機を発売します。これにより、自動車部品の小型・軽量化によるCO2排出の削減に貢献します。
※4:溶接部に大きな電流を流し、これによって生ずる抵抗熱で接合部を加熱し、同時に大きな圧力を加えて
溶接を行う方法
※5:タングステンを電極とし、アルゴンガスなどのイナートガスの中でアークを発生させて溶接を行う方法
電子ビーム溶接およびビーム出力波形制御について
・電子ビーム溶接とは、高速の電子を衝突させることで、衝突した部分を局所的に加熱、溶融させ溶接を行う方法。材料そのものを溶融、接合させるので、溶加材などは不要。
・電子ビーム溶接では、通常、電子ビームを連続的に出力。FPC-EBMでは、0.05 ミリ秒で、ビーム出力を変化させることが可能。これにより、任意波形でビーム出力制御を行い、ひずみやスパッタを低減。
*「主な仕様」は添付の関連資料を参照
製作担当工場
多田電機株式会社 応用機工場
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