Article Detail
NICT、話した内容をその場で翻訳できる多言語音声翻訳アプリを成田国際空港向けにカスタマイズ
NICTの多言語音声翻訳アプリの技術が成田国際空港のサービスに
〜しゃべった内容をその場で翻訳! 旅行会話用スマートフォンアプリを実用化〜
独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」、理事長:宮原 秀夫)の自動音声翻訳技術を応用した一般旅行者向けサービスが、12月26日(月)から成田国際空港で開始されました。同サービスは、昨年8月から無料公開中のスマートフォン用音声翻訳アプリ“VoiceTra”を成田国際空港向けにカスタマイズしたもので、同空港に関連する施設名などを正しく翻訳できるよう強化されています。
【背景】
NICTでは、言葉の壁の克服を目指して、政府が推進する社会還元加速プロジェクトである「言語の壁を乗り越える音声コミュニケーション技術の実現」の達成に向け、多言語の自動音声翻訳技術の研究開発に取り組んでいます。
このような研究成果を広く周知し、利用データによる性能改善及びユーザビリティ調査を行うための実証実験として、NICTは、昨年8月から、スマートフォン用の音声翻訳アプリケーション“VoiceTra”の無料公開を行っています。これまでのダウンロード数は53万件に達し、大変好評を博しています。
一方、NICTは、自動音声翻訳技術の実用化に向けた活動も進めています。その一環として、成田国際空港株式会社(代表取締役社長:森中 小三郎)と共同で、平成22年10月1日から平成23年2月28日まで、成田国際空港において施設関係者を対象とした、スマートフォン用音声翻訳サービスの検証実験を行いました。
【今回の取組】
上記の検証実験の結果を踏まえ、NICTは、自動音声翻訳技術を提供するライセンス契約を締結し、このたび成田国際空港向けにカスタマイズされたスマートフォン用音声翻訳サービスが実用化されることになりました。
この一般旅行者向けのアプリケーション“NariTra”は、実証実験用の音声翻訳アプリと同様に、無料でダウンロードして使用できます。辞書には、成田国際空港に関連する商品名、施設・店舗名、エアライン名、鉄道路線名などが追加され、同空港を利用する一般旅行者を意識した実用性の向上が図られています。
詳細については、成田国際空港株式会社のプレスリリースをご覧ください。
(http://www.narita-airport.jp/jp/whats_new/index.html)
※“NariTra”のアイコン、起動時の画面などは添付の関連資料を参照
【今後の展望】
NICTは、このようなライセンス契約を締結して、実用レベルの自動音声翻訳技術を民間事業者等に有償で提供する取組を積極的に進めています。今後も、事業化のための技術移転を進め、研究開発成果の社会還元を加速していきます。
【関連情報】
NICT多言語自動音声翻訳技術について
(MASTARプロジェクト) http://mastar.jp/translation/index.html
*VoiceTra(ボイストラ)は、NICTの登録商標です。