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富士電機、大幅な電力損失低減を実現した情報通信機器など向けMOSFETを発売
『Super J−MOSシリーズ』の発売について
富士電機株式会社(東京都品川区、代表取締役社長:北澤通宏)は、業界最高レベルの低損失を実現したMOSFET『Super J−MOSシリーズ』を発売しますのでお知らせ致します。
1.発売のねらい
地球環境への関心が高まる中、グリーン化が進むIT分野や新エネルギー分野などでは電力変換の効率化を実現するパワー半導体に注目が集まっています。
その中でも、MOSFET(※1)は、電力変換に使用される主力デバイスとして、これまで以上の損失改善が求められています。
このたび、当社が発売する『Super J−MOSシリーズ』は、新たに開発した低オン抵抗特性を持つSJ構造(※2)を採用し、大幅な損失低減を可能としました。
これにより、機器の電力変換効率を向上させ、消費電力を減らすことで、低炭素社会の実現に貢献します。
2.製品の特長
・オン抵抗70%(※3)減を実現し、業界最高レベルの低損失を達成
・最新のスイッチング損失低減技術と組み合わせ、素子のトータル損失14%低減(※4)
3.概略仕様(代表機種)
*添付の関連資料を参照
4.主な用途
・サーバー、無停電電源装置、放送機器などの情報通信機器
・太陽光パワーコンディショナーなど新エネルギー分野向け電力変換装置など
※1:MOSFET:Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor
※2:SJ構造:Superjunction構造
MOSFETのドリフト層をp型領域とn型領域とが交互に並んだ構造に置き換えたもので、n型領域の不純物濃度を高くすることができ、抵抗値を劇的に低減できるのが特長です。
従来のプレーナー構造のMOSFETでは、高抵抗のn型層に電気的に絶縁された領域(空乏層)を伸ばすことによって耐圧を確保していたため、オン抵抗を一定値以下には出来ませんでした。
SJ構造は、n型領域にp型領域を形成することで、縦方向だけでなく横方向にも空乏層を伸ばすことが出来るため、n型層の抵抗を下げても耐圧が確保されます。これにより、従来のプレーナー構造の理論限界を超えた低オン抵抗を実現しています。
※3、4:当社従来製品との比較です
*SJ構造参考図、Super J−MOS製品写真は添付の関連資料を参照