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テルモ、植込み型補助人工心臓システムの一部不具合で新規植込み見合わせ
「DuraHeart 左心補助人工心臓システム」
新規植込み見合わせについて
テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:新宅 祐太郎)は、植込み型補助人工心臓システム「DuraHeart左心補助人工心臓システム」(以下、本製品という)におきまして、ポンプの通常の回転モード(磁気浮上方式※1)が維持されない不具合が発生したため、植込み型補助人工心臓手術の認定医療機関(12施設※2)に対し、2011年12月20日より本製品の新規植込みを原則として見合わせていただくようにお願いしております。
これまでに同様の不具合が全世界で30件発生しております。主たる原因は、ケーブル内の磁気センサーの導線が一部断線したことによるものです。
なお、通常の回転モードが維持されない場合でも、セーフティー機構が働くことから、これまでのところポンプ停止に至った事象はございません。
弊社といたしましては、本製品を使用されている患者様の安全を最優先に考え、医療機関12施設へ本事象の詳細をお伝えし、患者様へご説明をしていただきました。なお、患者様のフォロー体制につきましては医療機関において万全の体制を取っていただくようお願いしております。改善策につきましては既に検討を開始しており、一日も早い再開ができるよう全力で取り組んでまいります。
患者様やそのご家族、医療機関の皆様に多大なるご迷惑をお掛けしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。
※1 磁気浮上方式:遠心ポンプ内部の羽根車を磁力で浮上させ回転させる方式
※2 植込み実績のある6施設と、植込み対応可能な6施設の合計
■補足
<植込み型補助人工心臓システム「DuraHeart左心補助人工心臓システム」>
1.用途:心臓移植適応の重症心不全患者で、薬物療法や体外式補助人工心臓などの補助循環法によっても継続した代償不全に陥っており、かつ、心臓移植以外には救命が困難と考えられる症例に対して、心臓移植までの循環改善に使用されるものです。
2.医療機器承認番号: 22200BZX00940
<国内での使用状況について>
本製品の植込み実績のある医療機関は6施設、現在ご使用中の患者様は36名です。
<不具合の発生状況について>
日本 5人 7件(植込み46症例)
米国 8人 10件(植込み66症例)
欧州 12人 13件(植込み96症例)
なお、今回の不具合による死亡症例はございません。
*「DuraHeart左心補助人工心臓システム」の画像は添付資料参照