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米アナログ・デバイセズ、コンパクトな立方体パッケージのMEMS振動解析システム「ADIS16227」を発表
アナログ・デバイセズ、1辺が15mmのコンパクトな立方体パッケージで、業界初のMEMS振動解析システム「ADIS16227」を発表
ADIの新しいiSensor(R) MEMS加速度センサー
〜振動監視装置と組み込みプログラマブル・プロセッサが、振動の方向感知とスペクトル解析で個々の振動源の特定と分類を可能に〜
アナログ・デバイセズ社(ニューヨーク証券取引所:ADI)は、本日、産業用機器向けiSensor(R)振動モニター「ADIS16227」を発表しました。ADIS16227は、産業用機器の設計者向けの自律動作が可能な完全集積振動解析ソリューションで、振動の検出、絶縁、補正を通してシステムの性能を向上させ、保守費用の軽減をもたらします。ADIS16227は、機器の動作性能の低下やダウンタイムの原因となる、機器や軸受の摩耗によって起きる振動源を極めて早い段階で検出、特定します。この小さな振動モニターを組み込むことで、風力タービンから高精度のファクトリー・オートメーションや組立機器にわたる広範なアプリケーションに、自動振動プロファイリングによるメリットがもたらされます。
MEMS加速度センサーは振動モニタリングに適していますが、通常はファンクションやフィーチャなどの面においてシンプルなものが殆どです。ADIは、何十年にもおよぶ集積センサー・プロセッシングの開発と製造の経験を基に、MEMS加速度センサーを、プログラマブル組込みプロセッシング内蔵の3軸振動アナライザに進化させました。ADIS16227 iSensor(R)振動モニターは、複数の部品を用いた開発の場合に生じる複雑さやリスクの懸念なく、広範なアプリケーション向けに適した機能を実現することができます。
アナログ・デバイセズ社 MEMS/センサー・グループiSensor事業開発マネージャ、ボブ・スキャネル(Bob Scannell)は次のように述べています。「産業用機器の設計者にとってADIS16227は、初めての使い易い、手頃な価格の、そしてまさに角砂糖サイズの完全な振動アナライザとなります。ADIS16227により、開発者は、周波数ドメインのプロセッシング・プログラマビリティとチューニング機能を備えた、実証済みの第4世代振動センシング機能を手にすることができるようになり、振動源を迅速に特定できるようになります」
主な高性能機能とメリット
●組込み周波数ドメイン・プロセッシング、512ポイント実数値FFT、およびオンボード・ストレージが、個々の振動源を特定して分類し、それらの時間変化を監視し、プログラマブル・スレッショルド・レベルに対応する機能を提供。
●コンフィギュラブル・スペクトル・アラーム・バンドとウィンドウ機能オプションが、問題の早期、正確な検出用に、6バンド(6つの帯域)、アラーム1(警告スレッショルド)、およびアラーム2(故障スレッショルド)で構成された、全周波数スペクトルの解析を可能に。
●一辺が15mmのコンパクトな立方体の完全組込プログラマブル機能が、振動源に密接した配置と、繰り返し小信号でも早期検出ができるため、ハンドヘルド機器を用いた測定から測定への位置やカップリングの違いに起因するデータの不一致を避けることが可能に。
●4レンジ(0−1g、0−5g、0−20g、0−70g)選択可能なコンフィギュラブル入力レンジ(ダイナミック・レンジ)が、複数の動作シナリオをサポートする簡単なプログラミングを可能にし、FFTの精度が改善され、低レベルの信号の観測をサポート。
●サンプルレートが最高100kHzまでコンフィギュレーション可能な、平均化/デシメーションオプション付きの3軸広帯域幅(22kHz共振)加速度センシングが、わずかな振動プロファイルの変化も、より正確に査定。
ADIS16227 iSensorデジタル振動モニターの詳細について
ADIS16227 iSensor(R)は、業界をリードするADIのiMEMS?センサー、データ・コンバージョン、およびセンサー・プロセッシング技術と、使いやすいデータ・キャプチャおよびシリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)を組合せた、3軸デジタル振動モニターです。SPIとデータ・バッファ構造は広帯域幅のセンサー・データへのアクセスを提供します。22kHzのセンサー共振と100kSPSのサンプルレートは、広帯域幅の振動監視アプリケーションに適した周波数応答を提供します。ADIS16227は、x、y、およびz方向の加速度データをサンプリングし、処理して、タイム・スタンプ(更新日時)を含めて、FFT(高速フーリエ変換)バッファおよび選択によってはFFT記録素子にストアします。プログラマブル・デジタル・フィルタはローパス・コンフィギュレーション・オプションを提供し、また、内部クロックはデータ・キャプチャ・イベントの間データ・サンプリング・システムを駆動するので、外部クロック源は不要です。データ・キャプチャ機能は、多種多様なアプリケーションのニーズに対応するように、3つの異なるモードを備えています。ADIS16227は、また、デジタル温度センサーとデジタル電源測定機能が内蔵され、さらに、目標アプリケーション内での高信頼性の組込み動作を可能にするように、デジタル・セルフテスト機能も提供します。拡張動作温度範囲は?40°Cから+125°Cです。
価格と供給について
ADIS16227はスタッド・マウント用のネジ穴の付いた15mm×15mm×15mmのモジュールで提供されます。2列の1mm、14ピンフレキシブル・コネクタによって、シンプルなユーザ・インターフェースと取付けが可能です。
製品 ADIS16227
供給 量産出荷中
動作温度範囲 −40℃から+125℃
1,000個受注時の単価
174ドル
パッケージ 15mm×15 mm×15mm
14ピン・フレックス・コネクタ(電気ネジ込機械式スタッド・マウント向け)
(米国での販売価格)
【詳細情報】
●ADIS16227
http://www.analog.com/jp/adis16227/
●iSensor
http://www.analog.com/jp/sensors/inertial-sensors/products/index.html
アナログ・デバイセズ社について
アナログ・デバイセズ(ADI)は、技術革新、高性能、そして卓越した技術力を企業文化として継承し、半導体市場において長期にわたり高い成長を示してきました。
ADIは、データ・コンバージョンとシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として業界で高い評価を得ており、あらゆる種類の電子機器分野を取り扱う世界各国60,000社以上の顧客に製品を提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、40年以上の歴史を誇るADIは、本社をマサチューセッツ州ノーウッドに構え、全世界で約8,900人の従業員を擁します。製造工場は、マサチューセッツ、カリフォルニア、ノース・カロライナ、アイルランド、フィリピンにあります。アナログ・デバイセズはニューヨーク証券取引所に上場しており(ティッカ−:ADI)、ADIはS&P 500インデックスに挙げられています。
※iSensorおよびiMEMSはアナログ・デバイセズ社の登録商標です。
お問い合わせ先
アナログ・デバイセズ株式会社 広報・宣伝部
電話 03−5402−8270
※ 製品画像は、関連資料参照